(スタッフブログ)DXの本当の難しさは“導入”のあとにやってくる
はじめまして。DX推進担当のIと申します。
毎日ホテル現場で働くスタッフの皆さんとお話をしながら、オペレーション上の課題ヒアリング、ツールの導入から導入後のサポート、そして利用の推進を行うのが私の仕事です。
「DXって難しそう」と言われることが多いのですが、私が日々痛感しているのは “DXを導入すること” より “使ってもらうこと” のほうが何倍も難しい、という現実です。
■ 新しい仕組みは、導入した瞬間がゴールではない
以前、ある新システムAがリリースされたときのことです。
この取り組みは、以前から私が実現したかったもので、活用が進むことを期待していました。すぐに施設への説明会を行い、「こうやって使いたいです!」という連絡を楽しみに待ちましたが、実際に反応があったのは1施設だけでした。他の施設ではその機能についてさえ「詳しくはよくわからない」という認識で、現場との温度差を痛感しました。
また別の機能Bがリリースされたときも同じでした。
これは以前から現場から改善要望が出ていたポイントで、「きっと喜んでもらえるだろう」と思っていたのですが、仕様変更の案内後も反応はありませんでした。
別件でやり取りしている中で「そんな機能使っていませんよ」と言われ、利点を伝えるだけでは使われないことを知りました。
■ なぜ「使われない」のか
理由を聞いてみると、多くのスタッフがこう言います。
「今のやり方で回っているのに、わざわざ変えたくない。」
私が新システムについて説明を行うときには、『利便性』『変更点』『注意点』をしっかりお伝えしますが、現場にとって最優先は “今日のオペレーションを滞りなく回すこと”。新しい仕組みが入れば、どうしても一時的に「覚える時間」や「切り替える負担」が発生します。
いくら利便性が上がるとしても、「今のままで回っているなら、変えないほうが早い」という心理が働いてしまうのです。
■ 「どう定着させるか」が、私たちの本当の仕事
そのため私は、DX推進を前に進めるために、現場向けにDXの最新情報について配信しています。ある施設での成功事例、DX導入後の数値の変化、お客様からいただいた嬉しいお言葉などを紹介し、現場の皆さんと同じ方向を見ながら、DXを“自分ごと”として感じてもらえるよう発信しています。
忙しい現場スタッフだからこそ、「使うとこんな変化が起きるんだ」「私たちの施設での変化を見てくれているんだ」という実感が積み重なると、利用のモチベーションにもつながっていきます。
■ 現場の気持ちが動く瞬間
ある日、これまであまり乗り気ではなかったスタッフの方から、こんな言葉をいただきました。
「正直DXなんて今までの仕事を否定されたようでやりたくなかった。でもこのシステムを使うようになってから、お客様とお話する時間が圧倒的に増えたよ。前は裁くことだけで精いっぱいだったのに。」
私にとってDXは、現場スタッフがお客様と向き合う時間を増やすためのツールです。
この言葉をいただいて、「この仕事をしていてよかった」と心から思いました。
■ 現場と一緒に作っていくDXのかたち
DXは“入れたら終わり”ではありません。
むしろ “日々のオペレーションの中で使えるようになってから” が本当のスタートです。
だからこそ、私はこれからも現場スタッフとの対話を大切にし、どんな小さな要望でも拾い上げながら、現場と一緒に作るDXを進めていきたいと思っています。
お客様と向き合える時間が少しでも増えるように。
現場スタッフの負担が少しでも軽くなるように。
その実現に向けて、これからも現場とともに歩み続けます。
はじめまして。
「まずはなんでもやってみる」がモットーのDX素新担当のIです。
学生時代はバスケや水泳、ピアノにも取り組んでいて、ガッツはあります!意外な特技としては、一輪車に乗りながら大縄跳びができることです。



