リロホテルソリューションズ

コラム

2025.07.14

(スタッフブログ)「DXって難しそう…」から始まった、旅館のおもてなし改革

(スタッフブログ)「DXって難しそう…」から始まった、旅館のおもてなし改革

はじめまして。DX推進担当のIと申します。現在はリゾート地や温泉旅館などを中心に、デジタルの力で現場を支えるお手伝いをしています。

DXに対する最初の印象

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」なんて聞くと、ちょっと小難しい言葉に感じる方も多いかもしれません。正直に言うと、私も最初はそうでした。カタカナ多いし、なんだか未来の話っぽいしな。「自分には関係なさそう・・・」なんて思っていたほどです。

でも、実際に旅館やホテルの現場に入って取り組んでみると、DXの本質はとてもシンプルでした。それは、「人の温かさ」や「おもてなしの心」を守るための仕組みづくりだったのです。

具体的な改善事例

たとえば、あるリゾートホテルでは、フロントでのチェックインに毎回15分、チェックアウトに10分以上かかっていました。紙の台帳での管理、館内の説明、お食事や貸切風呂の時間のご予約案内…。昔ながらの丁寧なおもてなしが逆にスタッフの負担になり、結果的に、目の前のお客様もお待たせしてしまうことに。

そこで私たちは、以下のような仕組みを導入しました。

①タブレットでの簡単チェックイン
②QRコードによる館内案内
③スマホからの食事・貸切風呂の時間予約

その結果、1組あたりのチェックイン対応が約1分に短縮。お客様からも「とてもスムーズで快適だった」との嬉しい声をいただきました。さらに、スタッフにも時間と気持ちの余裕が生まれたことで、「お出迎えの特別なカクテルを一言添えて渡す」「観光案内をゆっくり話せる」など、本来あるべき”人にしかできない心のサービス”が戻ってきたのです。

私たちが目指すDX

「DX=効率化」というイメージがありますが、私たちが目指しているのは、単なる業務の省略ではなく、”人が人らしく働ける環境”の再構築です。人手不足が深刻な宿泊業界では、「人を減らす」のではなく「人にしかできない仕事に集中できるようにする」ことが急務です。そのために、私たちはさまざまなデジタルの力を借りています。

最初は不安そうだったスタッフさんが、「このシステム、前の職場にも欲しかった!」と笑顔で話してくれたとき、本当にこの仕事をしていてよかったと感じます。

伝統と変化のちょうど真ん中で

ホテル・旅館は、日本らしいおもてなし文化の象徴だと思います。でもその裏側には、たくさんの努力と工夫、そして時代に合わせた進化があります。私たちDXチームの仕事は、そうした”伝統と変化のちょうど真ん中”に立ち、現場のリアルな声を聞きながら、最適な形で未来への橋をかけることだと思っています。

日々の業務は地道で、時には泥臭い作業もあります。それでも、「あの旅館、最近とても快適になった」といったお客様の声や、「また泊まりに来たくなる宿だね」とリピーターが増えたときには、心からやりがいを感じます。

これからも現場と共に

ホテルDXは、誰かの仕事を奪うものではありません。むしろ、人が”その人らしく”働くことを支える、大切な土台だと感じています。これからも「効率化のその先にある、もっと良いサービス」を一緒に考えていきたい。そんな想いで、現場に足を運んでいます。

DX担当I
DX担当I

旅館やホテルの現場に入り込みながら、DXで「人らしい働き方」をサポート中のIです。
チェックインの短縮から業務改善まで、おもてなしを守る仕組みづくりが得意です。
食べ歩きとお酒が大好きで、出張先の居酒屋巡りが密かな楽しみ。