リロホテルソリューションズ

コラム

2025.07.28

旅館運営の本質は、ここにある(スタッフブログ)

旅館運営の本質は、ここにある(スタッフブログ)

はじめまして、運営受託担当のTと申します。
私たちは、ホテルや旅館のオーナー様から施設の運営をお任せいただき、
現地で「支配人」や「運営責任者」としてマネジメントに携わっています。
簡単に言えば、オーナー様に代わって現場の運営を担う役割です。

オーナー様の想いや経営方針を現場に落とし込み、スタッフとともに目標に向かって進んでいく。
そのために、私たち運営受託担当は、日々現地に入り、課題の抽出、業務改善、人材育成、そして収益向上に向けた取り組みを行っています。
リロバケーションズグループで蓄積してきた運営ノウハウやデータ分析の力を活かし、
各施設の状況に応じて改善提案から実行支援までを行う・・・それが私たちの仕事です。
しかし、現場に立っていると、机上のノウハウだけでは気づけない学びも本当に多くあります。
特に、オーナー様の姿勢や、現地スタッフの皆さんが日々実践されている文化や工夫から学ぶことは、少なくありません。


ある日、受託先の旅館で、印象的な体験をしました。
施設に到着すると、スタッフの皆さんが自然体で明るく「おはようございます」「お疲れさまです」と声をかけてくれるのです。
その中心には、オーナー様の存在がありました。
オーナー様ご自身が、毎朝率先して気持ちのこもった挨拶を行っており、それがスタッフの皆さんにも見事に浸透していました。
さらに印象的だったのは、あるスタッフの声がいつもより少し元気がなかった時のこと。
すぐに別のスタッフが「大丈夫?」と声をかけていたのです。
これは単なる挨拶ではありません。
お互いを気にかけ合う、温かな空気が日常的に流れている証だと感じました。

このような文化は、一朝一夕でできるものではありません。
オーナー様が日々、丁寧にスタッフと向き合い、信頼関係を築いてきた証です。
数字や戦略だけでは、お客様に伝わるサービスは生まれません。
“稼ぐ”以前に、“信頼される職場”であること。
その土台があってこそ、改善施策も活き、施設は持続的に成長していけるのだと、改めて実感しました。


運営受託とは、「代わりに運営する」ことではないと考えております。
私たちは、オーナー様と同じ方向を見つめ、現地スタッフとともに悩み、考え、汗をかきながら、より良い施設づくりに取り組んでいます。
「教える側」であると同時に、「教わる側」でもある。
その姿勢がなければ、現場に真に根づく運営は実現できないと考えています。
私たちのノウハウと、現場が持つリアルな力。
どちらかが欠けても、成果にはつながりません。
だからこそ、現場で起きていることを正しく見て、良い部分はさらに伸ばし、課題には一緒に向き合う。
そんな“対等なパートナーシップ”を築くことを、私たちは何よりも大切にしています。


ホテルや旅館は、人で成り立っています。
システムや戦略だけでは動かず、現場にいる一人ひとりの意識と、そこに流れる空気がサービスの質を決めます。
支配人として現場に立つ今、私自身も毎日の挨拶を大切にし、スタッフとの対話を丁寧に重ねながら、施設にとって本当に必要なことは何かを考え続けています。
これからも、オーナー様・スタッフの皆様とともに歩みながら、その施設にしかない魅力と可能性を、共に引き出していけたらと思っています。

運営受託担当T
運営受託担当T

誰とでも分け隔てなく接する、人懐っこくて頼れる兄貴的存在。
夢は、地球上のすべての旅人に、帰りたくなる宿を届けること。
世界中どこにいても、「あの宿に帰りたい」と思える場所がある。
そんな第二のふるさとを、日本から創り、世界へ広げていきたい。