コラム

2026.04.08

RevPAR(レブパー)とは?計算式・業界平均・改善策を解説【自動計算ツール付】

RevPAR(レブパー)とは?計算式・業界平均・改善策を解説【自動計算ツール付】

RevPAR(レブパー)とは、ADR(客室平均単価)×OCC(客室稼働率)で計算する、ホテル収益の最重要KPIです。

OTA手数料が20%、人件費が30%——売上は伸びているのに「なぜか利益が残らない」と感じたことはないでしょうか。その原因の多くは、RevPARの管理不足にあります。稼働率を上げるために単価を下げ続けた結果、忙しいのに利益が残らない構造が出来上がっているのです。

RevPARは、ADR(客室単価)とOCC(稼働率)のバランスを一目で示す、ホテル収益の「体温計」です。この数値を正しく見ていない限り、どれだけ稼働が上がっても利益は改善しません。

本記事では、RevPARの意味・計算式・業界平均の目安から、GOPPARとの使い分け・ADRやOCCとの関係、そしてRevPARを継続的に向上させるための具体的な施策まで、現場で使える形で解説します。

RevPAR(レブパー)とは?計算式・ADR・OCC・業界平均と改善策を解説

📌 この記事でわかること

RevPARの意味・計算式と、ADR・OCCとの正しい使い分け
「稼働率が高いのに利益が残らない」構造的な原因と改善の方向性
RevPARを向上させる4つの戦略と、GOPPARとの使い分け
🎯 この記事はこんな方に向けて書いています
OTA依存の集客から脱却したいホテル・旅館経営者
稼働は高いのに利益が残らない施設の担当者
RevPARをはじめて体系的に理解したい支配人・運営担当者
ホテル・旅館のRevPAR・収益改善を支援するリロホテルソリューションズ|3カ月で黒字化するサービスガイド(無料ダウンロード)

RevPARとは?意味と定義

この章の結論

RevPARは「販売可能な全客室1室あたりの売上」を示す、ホテル経営の最重要KPI。
単価(ADR)と稼働(OCC)のバランスを、ひとつの数値で同時に評価できる。
稼働率だけを追う「安売り高稼働」の失敗を防ぐ羅針盤になる。

RevPARの基本概念

RevPAR(レブパー:Revenue Per Available Room)とは、ホテルが保有する販売可能な客室全体から得られる収益を、1室あたりに換算した指標です。

OCC(稼働率)が高くても単価が低ければ収益は伸びず、逆に単価が高くても空室が多ければ機会損失が生じます。RevPARはこの2つのトレードオフを同時に評価できるため、ホテル経営における最重要指標のひとつとして広く使われています。

この記事が特に刺さる施設
・OTAからの予約が売上の半分以上を占めている
・稼働率は高いのに利益が思うように残らない
・繁忙期の価格設定を感覚や競合横並びで決めている
——心当たりがある方は、RevPARの見直しが収益改善の最短ルートです。

⚠️ RevPARを見ていない宿が陥るリスク
稼働率が高いのに赤字——これは珍しいことではありません。「とにかく部屋を埋める」という発想のまま運営を続けると、知らず知らずのうちに安売り地獄に陥ります。RevPARを管理していない施設は、繁忙期に取れたはずの利益を毎年取り逃がし続けています。


RevPARの計算式

この章の結論

RevPAR = ADR × OCC(または 客室売上合計 ÷ 販売可能客室数)。
ADR12,000円 × OCC70%なら、RevPARは8,400円。
改善の第一歩は「単価不足か、稼働不足か」を切り分けること。

計算式①(通常版)

RevPAR = ADR(客室平均単価)× OCC(客室稼働率)

計算式②(直接計算版)

RevPAR = 客室売上合計 ÷ 販売可能客室数

たとえばADRが12,000円、OCCが70%の場合、RevPARは8,400円です。また100室のホテルで1日の客室売上が84万円であれば、計算式②でも「84万円 ÷ 100室=8,400円」となり、結果は同じです。RevPARは原則として1泊・1室あたりの数値で表します。月次・年次で集計する場合は、分母を「販売可能客室数 × 対象期間の日数」とすることで日割り換算が可能です。

図解で理解する:ADR・OCC・RevPAR・GOPPARの関係

4つの指標の関係を図にすると、以下のようになります。RevPARは「売上の質」、GOPPARは「利益の質」を測る指標です。

【図解】ADR × OCC → RevPAR → GOPPAR の関係

ADR
客室平均単価
「いくらで売れたか」
×
OCC
客室稼働率
「どれだけ売れたか」
RevPAR
販売可能な1室あたりの売上=「売り方の質」を評価
▼ 人件費・光熱費・OTA手数料などのコストを差し引く ▼
GOPPAR
販売可能な1室あたりの粗営業利益=「儲け方の質」を評価

※日々の価格・稼働コントロールはRevPARで、最終的な利益体質の評価はGOPPARで行うのが実務の基本です。

RevPAR計算シミュレーター

自施設のADR・OCC・施設タイプを入力すると、RevPARと業界平均との差を自動で判定します。

%
あなたの施設のRevPAR
8,400 円
業界平均の範囲内です
📊 業界平均との比較
施設タイプ・ADR・OCCを入力すると判定結果が表示されます。

RevPARを改善するには、ADRを上げるかOCCを上げるか、あるいは両方を同時に動かす必要があります。どちらを優先すべきかは、自施設が「単価不足」なのか「稼働不足」なのかを先に切り分けることが出発点です。


RevPARが重視される3つの理由

①「売り方の質」を一つの数値で評価できる

RevPARはADRとOCCを掛け合わせた指標のため、「価格を上げて稼働率が下がった場合」も「稼働率は上がったが単価が下がった場合」も、収益への影響を正直に反映します。

  ホテルA ホテルB
ADR 4,500円 7,500円
OCC 100% 60%
RevPAR 4,500円 4,500円

2つのホテルのRevPARは同じですが、ホテルBは稼働率を40%上げる余地があります。価格を維持しながらOCCを改善すれば、RevPARはホテルAを大きく上回れます。RevPARはこうした「成長余地」の判断にも使えます。

②競合比較のベンチマークに使える

RevPARは施設規模に関わらず比較できるため、競合ホテルとの相対評価に最適です。競合より低ければ価格設定か集客に課題があり、高ければその強みを持続させる戦略を取ります。自施設のRevPARを業界平均と比較することで、課題が「ADRなのかOCCなのか」を切り分ける出発点になります。

③レベニューマネジメントの中核KPIである

需要予測・価格調整・チャネル管理を組み合わせて収益を最大化するレベニューマネジメントでは、RevPARが最も広く目標指標として使われています。単なる安売りによる高稼働(高OCC・低ADR)も、高すぎる価格設定による空室(低OCC・高ADR)も、RevPARには正直に反映されます。RevPARこそが「売り方の質」を評価する羅針盤です。


RevPARの業界平均・目安

この章の結論

目安は都心ビジネスホテルで8,000〜15,000円、地方温泉旅館で20,000〜35,000円。
平均を下回ったら、ADRとOCCのどちらが低いのかをまず切り分ける。
数値は観光庁「宿泊旅行統計調査」と当社支援先の実績に基づく参考値。

施設タイプ別の目安一覧

RevPARの水準は施設の立地・規模・グレードによって大きく異なります。自施設を評価する際の参考として、以下の目安を活用してください。

施設タイプ RevPARの目安(1泊・1室)
都心部・高級シティホテル 15,000〜25,000円以上
都心部・ビジネスホテル 8,000〜15,000円
地方都市・ビジネスホテル 4,000〜8,000円
地方温泉旅館(スタンダード・1泊2食) 20,000〜35,000円
地方温泉旅館(高級・料理重視型) 30,000〜65,000円
リゾートホテル(繁忙期) 20,000円以上
リゾートホテル(閑散期) 5,000〜15,000円

※上記は観光庁「宿泊旅行統計調査」の公表データと、当社が運営支援する施設の実績をもとに算出した参考値です。インバウンド需要の回復により、都市部を中心に2024〜2025年にかけてRevPARは上昇傾向にあります。

業界平均を下回っていた場合、まず何を確認すべきか
自施設のRevPARが目安を下回っている場合、「ADRが低いのか、OCCが低いのか」を切り分けることが改善の第一歩です。両方が低い場合はより根本的な戦略の見直しが必要です。観光庁の宿泊旅行統計調査では施設タイプ別のRevPAR・ADR・OCC指標を無料で確認でき、ベンチマーク設定に活用できます。

さらに深く比較したい方へ:RevIndex・MPI・ARI

業界平均との比較に慣れてきたら、競合との相対評価に使う指標も活用できます。RevIndex(レブインデックス)は「自施設のRevPAR ÷ 競合平均RevPAR × 100」で計算し、100を超えていれば競合より優位に販売できていることを意味します。たとえば自施設のRevPARが9,000円、近隣競合5施設の平均が10,000円なら、RevIndexは「9,000 ÷ 10,000 × 100 = 90」となり、競合より約1割低く売っている状態だとわかります。同様に、MPI(Market Penetration Index)は稼働率の競合比較、ARI(Average Rate Index)はADRの競合比較に使います。RevIndexが100を下回っている場合は、MPIとARIのどちらが足を引っ張っているかを見れば、改善すべきポイントが明確になります。


RevPARが低い原因を診断する

3つの原因パターンと失敗の構造

「RevPARが業界平均を下回っている」とわかった場合、次に必要なのは原因の特定です。RevPARが低い原因は大きく3パターンに分かれます。自施設がどのパターンに当てはまるかを確認してください。

【図解】RevPARが低いときのパターン別診断フロー

RevPARが業界平均を下回っている
↓ ADRとOCCを分解して、どちらが低いかを確認する
パターン①
ADRが低い
主因:値下げ競争・OTAセール依存・繁忙期に価格を上げられていない
打ち手:ダイナミックプライシング導入、高需要日の段階的値上げ
パターン②
OCCが低い
主因:平日・閑散期の集客不足、チャネルがOTAに偏っている
打ち手:法人契約・連泊プラン・平日向け新規顧客層の開拓
パターン③
両方低い
主因:データ未整備で現状把握ができず、「安売り」が定着している
打ち手:PMSデータ整備→顧客・チャネルの再設計(構造改革)

※自施設がどのパターンかは、下の診断ツールで8問に答えるだけで判定できます。

パターン①:ADRが低い(単価不足)

こんな施設に多い:競合に合わせて値下げを続けている/OTAのセールに頼りすぎている/繁忙期でも価格を上げられていない

ADRが低い場合、稼働率が高くても収益は伸びません。価格設定の根拠が「感覚」や「競合の横並び」になっていないか確認しましょう。高需要日に価格を据え置くことは、取れたはずの利益を手放しています。

改善の方向性:ダイナミックプライシングの導入、繁忙期・イベント日の価格引き上げルールの設定、早割終了タイミングの前倒し。

パターン②:OCCが低い(稼働不足)

こんな施設に多い:平日・閑散期の稼働が著しく低い/OTA以外の集客チャネルが少ない/リピーター・法人契約が育っていない

OCCが低い場合、価格設定より先に「そもそも予約が入っていない」構造を解消する必要があります。チャネルの多様化と閑散期対策が優先課題です。

改善の方向性:法人契約・連泊プランによるベース稼働の確保、平日向け新規顧客層(テレワーク・シニア)の開拓、OTAの掲載内容・口コミ対応の見直し。

パターン③:ADRもOCCも低い(構造問題)

こんな施設に多い:単価も稼働も低い状態が長期間続いている/「安くしないと売れない」という思い込みが定着している/PMSのデータが整備されておらず現状把握ができていない

両方が低い場合は、価格・集客の個別改善より先に、データの整備と経営方針の見直しが必要です。支援現場では「忙しいのに利益が残らない」という声が最も多いパターンです。

改善の方向性:PMSデータの整備から始め、OCC・ADRの推移を可視化。顧客セグメントの見直しと販売チャネルの最適化を並行して進める。

⚠️ 内製対応の限界——「担当者頼み」の価格管理が招く3つのリスク

RevPAR管理を担当者個人の経験と感覚に依存している施設では、①繁忙期の取り逃がし(過去の価格踏襲)、②閑散期の過剰値下げ(競合反応の遅れ)、③属人化による引き継ぎリスク——の3つが慢性的に発生します。PMSとサイトコントローラーのデータを連携し、日次で自動集計する仕組みを作ることが「内製の限界」を突破する第一歩です。

🔍 プロとの差——専門家が持つ「3つの武器」

レベニューマネジメントの専門家は、①需要予測モデル(イベント・祝日・天候を加味した将来稼働推定)、②競合モニタリング(OTA上のリアルタイム価格比較)、③チャネル別損益の可視化(手数料控除後ネットRevPARの管理)——を組み合わせた意思決定を行います。自施設の担当者が「今日の競合価格を手動で確認する」レベルに留まっている間に、専門家は30日先の需要を予測して価格を動かしています。この差が半年後・1年後の収益格差として現れます。

🩺 RevPAR課題タイプ診断ツール
8つの質問にはい/いいえで答えると、自施設の課題タイプを自動で判定します。回答すると次の質問へ自動でスクロールします。
Q1.競合ホテルと比べて自施設の単価が明らかに低い
Q2.繁忙期でも稼働率が70%を超えないことが多い
Q3.OTA経由の手数料が売上の20%以上を占めている
Q4.過去12ヶ月のRevPAR推移を月次で把握していない
Q5.閑散期に稼働率が40%を下回る月がある
Q6.繁忙期・イベント日でも価格を変えずに販売している
Q7.法人契約やリピーター向けプランがほとんどない
Q8.稼働率は高いのに手元に利益が残らないと感じる
回答済み:0 / 8 問 0%
全8問に答えると診断結果が表示されます

ADR(客室平均単価)とは

ADR(Average Daily Rate)は、実際に販売された客室の平均単価を示す指標です。

ADR = 客室売上合計 ÷ 販売客室数

ADRは「価格戦略の良し悪し」を評価する指標ですが、空室を無視した数値です。一方RevPARは空室の損失も含めて評価します。高需要日にADRをどこまで引き上げられるかがRevPAR向上の核心であり、低需要日でもADRを急激に下げすぎないことが収益の底上げにつながります。

OCC(客室稼働率)とは

OCC(Occupancy Rate)は、販売可能な客室のうち実際に販売された割合です。

OCC = 販売客室数 ÷ 販売可能客室数 × 100(%)

OCCは重要な指標ですが、単独で成功を判断することは危険です。OCCが高くても単価が低ければ収益は上がりません。RevPARはOCCとADRを掛け合わせることでこの問題を解消しており、OCCは必ずRevPARとセットで評価することが重要です。

3指標の比較まとめ

指標 何を評価するか 単独使用の限界
ADR 客室の価格水準 空室の影響を無視
OCC 客室の売れ行き 単価の高低を反映しない
RevPAR 収益性の総合評価 経費・利益を反映しない

RevPARは収益性の「総合スコア」ですが、利益(GOP)は反映されていません。経費込みの評価にはGOPPARを使います。


RevPARとGOPPARの違いと使い分け

GOPPARとは何か

GOPPARとは「Gross Operating Profit Per Available Room」の略で、1室あたりの粗営業利益を示す指標です。

GOPPAR = GOP(粗営業利益)÷ 販売可能客室数

RevPARが高くても人件費・光熱費・OTA手数料などのコストが高ければ、実際の利益は少なくなります。GOPPARはそのコストまで含めた「本当の収益力」を示します。

指標 主な用途 判断の場面
RevPAR 日常の価格・稼働管理、競合比較 毎日のモニタリング・戦略調整
GOPPAR 投資判断、コスト構造の評価 月次・四半期の利益レビュー

RevPARで売上を管理し、GOPPARで利益を管理するという使い分けが実務では有効です。GOPについては「GOPとは?ホテル経営を変える本当の利益率の見方と改善方法」もあわせてご覧ください。

RevPARが高いのに利益が残らない場合は?
RevPARが改善しているにもかかわらず利益が出ない場合は、コスト構造を疑うサインです。OTA手数料が売上の15〜20%を占めていないか、人件費比率が高くなっていないかをGOPPARとあわせて確認しましょう。RevPARとGOPPARの両方をセットで管理することが、本質的な経営改善への近道です。


RevPARを経営に活かす分析サイクル

日次・週次・月次のモニタリング

タイミング 目的 活用例
日次 当日〜翌日の価格調整 急な需要増に合わせてADRを引き上げ
週次 曜日別の傾向把握 平日と週末の価格差を最適化
月次 前月比・前年比の評価 年間計画の進捗確認と戦略修正

RevPARは毎日変動します。PMSやサイトコントローラーのデータを活用して、少なくとも日次でモニタリングする体制を整えることが理想です。

年間目標への組み込み方

年間RevPAR目標を設定する際は、以下のステップが有効です。

年間RevPAR目標の設定ステップ

前年同期のRevPAR実績を確認する
市場のインバウンド需要・競合動向を加味する
繁忙期・閑散期に分けて月別目標を設定する
ADR目標とOCC目標に分解して管理する

KPIとしての設定方法は「ホテル経営を数字で見える化!KPI設定と運用のコツ」もあわせて参考にしてください。


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ADRと稼働率(OCC)、どちらを優先すべきか

現状別の優先指標と判断基準

RevPAR改善に取り組む際、最もよく聞かれる疑問が「ADRを上げるべきか、OCCを上げるべきか」です。答えは施設の現状によって異なります。

現状 優先すべき指標 理由
OCC 80%以上・ADRが競合より低い ADR優先 稼働は十分。単価を上げる余地が大きい
OCC 60%以下・ADRは適正水準 OCC優先 価格より集客・チャネル改善が先決
OCC・ADRともに低い OCC優先→ADR まずベース稼働を作り、その後単価を上げる
OCC 70〜80%・ADRも競合並み 繁忙期ADR優先 高需要日の価格設定に伸びしろがある

「ADRを上げると予約が減る」は本当か?
多くの施設が恐れるこの問題ですが、高需要日に限定した値上げであれば予約減はほぼ起きません。問題が起きるのは需要のない日に無理に単価を上げた場合です。需要判断を正確に行い、高需要日・低需要日で戦略を使い分けることが重要です。


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RevPARを向上させる4つの戦略

高需要日の施策:ダイナミックプライシングでADRを最大化する

需要に応じてリアルタイムで価格を変動させるダイナミックプライシングは、RevPAR向上に直結します。繁忙期・イベント時・直前予約の需要急増など、機会に応じてADRを段階的に引き上げることで、OCC100%でも取り残していた収益を回収できます。

▲ 高需要日の価格コントロール(攻め)

段階的な価格引き上げ(ブッキングカーブに応じた設定)
早期割引の提供期間を短く設定する
OTAの在庫を絞り、直販を優先する

「値上げして空室が出たら怖い」への答え
支援現場でよく聞く声です。しかしデータが示す高需要日に価格を据え置くことは、取れたはずの利益を自ら手放していることと同じです。前年同日の稼働率・競合の空室状況・予約ペースの3点を確認し、自信を持って価格を動かしましょう。

低需要日の施策:閑散期対策でOCCの底上げをする

RevPARが落ちやすい閑散期は、OCC維持によって収益の下限を守ることが重要です。安易な値下げではなく、以下のように顧客層を広げる施策が効果的です。

▼ 低需要日の価格コントロール(守り)

早割・連泊プランで早期予約を促進する
リタイア層・テレワーク層向けの平日プランを設計する
地元企業との法人契約で安定稼働を確保する
OTAへの在庫を厚めに配分する

閑散期の具体的な対策については「ホテルの閑散期とは?売上を守り繁忙期に備えるための対策を解説」をご覧ください。

通年の施策:直販比率を上げてOTAコストを削減する

OTAは集客力が高い一方、手数料が15〜20%発生します。直販(自社サイト)経由の予約を増やすことで、同じRevPARでも実質的な手取り収益は大幅に改善します。「公式サイトが最安値」の訴求や会員限定特典の設計が効果的です。

OTAの手数料比較については「OTAの手数料を徹底比較!ホテル経営者が知るべきコスト削減と集客戦略」をご覧ください。

チェックイン時の施策:アップセル・クロスセルで客単価を引き上げる

チェックイン時のアップグレード提案や、食事・スパなどのオプション販売はADRを押し上げます。1件のアップセルで数千円の収益増になり、RevPARの改善に直接つながります。

旅館・1泊2食型施設の場合は設計が異なります
都市型ホテルと異なり、旅館は食材原価が大きく、単純なADRアップが粗利に直結しないケースがあります。宿泊単体ではなく食事・滞在価値を含めた利益設計が必要です。「1泊単価の最大化」ではなく「滞在価値の最大化」という視点が、旅館のRevPAR向上では重要です。


よくある質問(FAQ)

RevPARに関するよくある疑問

RevPARの目安はいくらですか?
A. 施設タイプによって異なります。都心部ビジネスホテルでは8,000〜15,000円、地方温泉旅館(スタンダード・1泊2食)では20,000〜35,000円、高級・料理重視型の旅館では30,000〜65,000円が目安です。自施設と近い条件の競合ホテルとの比較が最も参考になります。観光庁の宿泊旅行統計調査で業界データを無料で確認できます。
RevPARの理想値はいくらですか?
A. 全施設共通の理想値はありません。まずは自施設と同タイプの業界平均レンジの上限(例:都心部ビジネスホテルなら15,000円)を当面の目標に設定し、最終的には「損益分岐RevPAR(固定費・変動費から逆算した、利益が出る最低水準のRevPAR)」を上回ることを基準にするのが実務的です。
RevPARが低い場合、まず何を確認すべきですか?
A. ADRとOCCを分けて確認してください。ADRが低い場合は価格設定の見直し、OCCが低い場合は集客・チャネル戦略の見直しが必要です。両方低い場合はより根本的な戦略改善が必要になります。PMSやサイトコントローラーのデータで過去12ヶ月の推移をグラフ化すると、傾向が見えてきます。
RevPARが高いのに利益が出ないのはなぜですか?
A. RevPARは売上ベースの指標で、コストを反映しないためです。OTA手数料(15〜20%)、人件費、光熱費などが膨らんでいると、RevPARが改善しても手元に利益が残りません。手数料控除後のネットRevPARと、コストまで含めたGOPPARをあわせて点検すると、利益が消えている箇所を特定できます。
RevPARとADRはどちらを優先して見るべきですか?
A. まずRevPARで収益性を総合評価し、その上でADRとOCCに分解して原因を見るのが正しい順番です。優先順位は施設の現状で変わります。たとえばOCCが80%を超えているならADRの引き上げを優先し、OCCが60%を下回るなら価格より先に集客・チャネルの改善を優先します。
RevPARだけ管理していれば十分ですか?
A. RevPARは売上ベースの指標であり、コストを反映しません。RevPARが高くても人件費・OTA手数料が高ければ利益は出ません。日常の価格・稼働管理にはRevPAR、投資判断やコスト構造の評価にはGOPPARを使うという使い分けが実務では有効です。両方をセットで管理することをおすすめします。
RevPARは毎日管理する必要がありますか?
A. 理想は日次モニタリングです。特に繁忙期・イベント前後は価格機会を逃さないよう、毎日確認する習慣が収益に直結します。PMSを活用すれば自動でレポート化できます。まず週次から始め、慣れてきたら日次に移行することをおすすめします。
OTAと直販でRevPARに違いはありますか?
A. 表面上のRevPARは同じでも、OTA経由は手数料が引かれるため実質収益は下がります。RevPARと合わせてネットRevPAR(手数料控除後)も把握することをおすすめします。直販比率を高めることで、RevPARを変えずに実質手取りを改善できます。
RevIndex(レブインデックス)とは何ですか?
A. 自施設のRevPARを競合平均のRevPARで割り、100を掛けた競合比較指標です。100を超えていれば競合より優位に販売できていることを意味します。あわせて、稼働率を比較するMPI、ADRを比較するARIを見ると、競合に対してどこで負けているのかを特定できます。
中小旅館にもRevPAR管理は必要ですか?
A. 規模は問いません。客室数が少ない旅館・民宿でも、需要の高い日に適正価格で販売し、閑散期に早割プランで安定稼働を確保するという考え方は有効です。RevPARの計算自体はシンプルで、ツールなしでも始められます。まずは週次で手計算することから始めてみましょう。

まとめ:RevPARを軸に収益体質を変える

稼働率が高いのに利益が残らない——その原因は、ほぼ確実にRevPARの管理不足にあります。RevPARはADR×OCCで計算され、単価と稼働率のバランスを一つの数値で把握できる最重要KPIです。

RevPARを高めるには、以下の4つが有効です。ダイナミックプライシングによる高需要日のADR最大化、閑散期対策(早割・法人契約・平日プラン)によるOCCの底上げ、直販比率向上によるOTAコストの削減、そしてアップセル・クロスセルによるチェックイン時の客単価向上——この4つを組み合わせることが、安定した収益体質への近道です。

RevPARを日次・週次・月次で継続的にモニタリングし、数値に基づいた経営判断を続けることで、感覚頼りの運営から脱却できます。まず自施設のRevPARを計算するところから始めてみましょう。

リロホテルソリューションズの支援実績

シティホテル(55室) 旅館(30室)
WEB売上 60%増

・RevPAR改善に向けADR・OCC構造を見直し
・OTA依存から直販強化へシフト
・販売チャネル別の価格設定を最適化
利益改善 8,800万円

・高稼働日の単価引き上げでRevPAR向上
・閑散期の底上げプランで年間OCC安定化
・OTAセール対抗プランを公式限定販売

支援施設全体では、3〜6ヶ月でRevPAR 15〜30%改善、稼働率+8〜15pt程度の改善が見られます。特にOTA依存度が高い施設ほど改善幅が大きい傾向があります。

株式会社リロホテルソリューションズでは、RevPARをはじめとする収益指標の改善を、データ分析から価格戦略の立案・実行まで一貫して支援しています。RevPARが伸び悩んでいる、どこから手をつければいいかわからない、そういった方はお気軽にご相談ください。

株式会社リロホテルソリューションズ
株式会社リロホテルソリューションズ

【監修者情報】
株式会社リロホテルソリューションズ
全国50施設以上のホテル・旅館を現在も直接運営する親会社のノウハウを背景に、赤字施設の収益改善を専門とするコンサルティング会社。
「机上の理論」ではなく現場で磨かれた実践知をもとに、価格戦略・OTA対策・運営効率化を三位一体で支援。
支援施設では平均3〜6ヶ月でRevPAR 15〜30%改善、稼働率+8〜15ptの実績を持つ。

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