コラム

2026.05.20

ホテルのADRとは?業界平均・計算式・RevPARとの関係【2026年最新版】

ホテルのADRとは?業界平均・計算式・RevPARとの関係【2026年最新版】

ホテル経営において、「ADR(客室平均単価)」は収益性を判断する重要な指標のひとつです。しかし、「OCCやRevPARとの違いがわからない」「適正なADRの考え方が難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ADRの基本的な意味や計算方法をはじめ、ホテル経営で重視される理由、RevPAR・OCCとの関係性、さらにADRを向上させる具体的な改善施策までわかりやすく解説します。データを活用した戦略的な価格設定や収益最大化を目指したいホテル・旅館関係者の方は、ぜひ参考にしてください。


📌 この記事でわかること

ADRの正確な計算式と業態別の業界平均値(2026年最新)
ADR・OCC・RevPARを連動させた収益最大化の判断手順
ADRが下がる根本原因5つと改善の3段階アプローチ
内製で改善が頭打ちになる境界線とプロ活用の判断基準
🎯 この記事はこんな方に向けて書いています
ADRを上げたいが値上げで稼働が落ちるのが怖いホテル・旅館経営者
業界平均と比べて自館の単価水準を客観的に把握したい総支配人
OTA手数料控除後の「手取りADR」改善を目指す運営責任者
数字管理を強化したい多拠点ホテル本部・運営会社
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ADRとは?定義・読み方・計算式

この章の結論

ADRは「実際に販売した客室1室あたりの平均単価」。宿泊売上合計÷販売客室数で算出する。
ADR単独では空室の損失を無視するため、OCC・RevPARとセットで評価することが必須。
「売れた部屋の単価」を管理することで、価格戦略の妥当性を客観的に評価できる。

ADRは「客室1室あたりの平均販売価格」を示す指標

ADR(エーディーアール)は「Average Daily Rate」の略で、日本語では「平均客室単価」と訳されます。販売した客室1室あたり、いくらで売れたかを示す指標です。OCC(稼働率)RevPAR(販売可能客室1室あたり収益)と並び、ホテル経営における三大指標の一つとされています。

ADRが重要な理由は、価格戦略の妥当性を客観的に評価できる点にあります。たとえば閑散期に値下げをして稼働を埋めた場合、OCC(稼働率)は改善してもADRが大幅に低下し、結果として売上総額が減ることがあります。ADRを継続的に追うことで、こうした「埋めただけで儲かっていない」状態を早期に発見できるのです。

ADRの計算式と具体例

ADRの計算式は以下のとおりです。

ADR = 宿泊売上合計 ÷ 販売客室数

例として、ある日の宿泊売上が1,000,000円、販売客室数が50室だった場合のADRは「1,000,000円 ÷ 50室 = 20,000円」となります。

計算自体はシンプルですが、注意点が2つあります。1つ目は、宿泊売上に「食事代やサービス料」を含めるかどうかでADRが変わる点です。多くの場合、ADRには宿泊単体の売上(ルームチャージ)のみを使い、付帯売上は別管理とします。2つ目は、ノーショー(無断キャンセル)や無料招待客の扱いです。販売客室数に含めるか否かで、ADRの数値は大きく変わります。社内・グループ内で算出ルールを統一しておくことが、比較分析の前提となります。

ADRとARRの違い

ADRと似た指標に「ARR(Average Room Rate)」がありますが、両者はほぼ同義として使われることが多く、明確な区別はありません。日次ベースで集計する場合をADR、月次・年次など期間ベースで集計する場合をARRと使い分けるホテルチェーンも存在しますが、業界全体としては「ADR」の呼称が一般的です。

ADRを見ていない宿が陥るリスク
「OCCだけ追っていれば大丈夫」——この発想のまま運営を続けると、知らず知らずのうちに低単価販売が常態化します。ADRを管理していない施設は、繁忙期に取れたはずの単価上乗せを毎年取り逃がし続けています。


2026年業界平均ADR|業態別・地域別

この章の結論

ビジネスホテル8,000〜15,000円、シティホテル15,000〜35,000円、旅館(2食付)15,000〜50,000円が2026年時点の目安。
業界平均は参考値。自館の評価には「同立地・同規模の競合セット比較」が不可欠。
都心部では2024〜2025年にかけてインバウンド需要回復によるADR上昇が顕著。

業態別ADRの目安(2026年版)

自館のADRが「高いのか低いのか」を判断するためには、業態別の業界平均値を把握しておく必要があります。観光庁「宿泊旅行統計調査」および業界各社の公開データをもとに、2026年時点の業態別ADR目安を整理すると、以下のようになります。

業態 ADR目安(円) 主な特徴
ビジネスホテル 8,000〜15,000 平日需要中心・稼働率重視
シティホテル 15,000〜35,000 付帯施設充実・MICE需要
リゾートホテル 20,000〜60,000 季節変動大・体験価値で差別化
旅館(2食付) 15,000〜50,000 食事込み単価・温泉地で高単価
ゲストハウス・簡易宿所 3,000〜8,000 外国人客比率高・回転率重視

※上記は2026年時点の目安レンジです。最新の数値は観光庁「宿泊旅行統計調査」でご確認ください。

地域別ADRの傾向

地域別では、東京・京都・大阪・沖縄・北海道(ニセコ周辺)が高水準のADRを示します。とくにインバウンド需要が回復した2024年以降、東京都心部のシティホテルでは平均ADRが30,000円を超える施設も増加しています。一方、地方の温泉地や中規模都市では、観光需要の濃淡によって繁閑差が激しく、年平均で見るとADRが横ばいまたは微減という施設も少なくありません。

「業界平均」だけで判断してはいけない理由

業界平均は重要な参考値ですが、それだけで自館のADRを評価するのは危険です。立地、客室数、施設グレード、ターゲット客層、季節性、イベント有無など、ADRに影響を与える変数は多岐にわたります。あくまで「同条件の競合セット」とのベンチマーク比較が、現実的な判断軸となります。


ADRが下がる5つの原因

この章の結論

ADRが下がる主因は①OTA依存、②同一料金設定、③低単価プラン主力化の3点。
客室タイプ別の収益分析不足と競合追従も構造的な要因として見逃せない。

原因①:OTA依存による価格主導権の喪失

もっとも頻繁に見られる原因が、OTA(オンライン旅行代理店)への過度な依存です。OTAは集客力が強い一方で、手数料が10〜20%控除されるため、「販売価格は維持しても手取りADRは目減りする」という構造的な問題があります。さらに、OTAの売れ筋プランに引きずられて、低価格帯プランが主軸になってしまうケースも頻発します。

原因②:閑散期と繁忙期の同一料金設定

「価格を変えるのが面倒」「クレームが怖い」という理由で、年間を通じて同一料金を設定している施設では、繁忙期に取れるはずだった上乗せ単価を取りこぼし、結果としてADRが頭打ちになります。逆に閑散期は需要に対して価格が高すぎるため稼働が落ち、機会損失も発生します。

原因③:プラン構成の偏り(低単価プランが主力化)

朝食なし素泊まりプランや早割30など、低価格帯プランばかりが売れる構成になっていると、ADRは構造的に下がります。プラン構成を見直し、高単価プラン(クラブフロア、特別フロア、エグゼクティブプラン、特別食プランなど)へのアップセル動線を設計することが必須です。

原因④:客室タイプ別の収益分析不足

シングル・ダブル・ツイン・スイートといった客室タイプごとに、ADRとOCCを別々に追っていないと、稼働率の高いタイプに合わせた低価格設定が全体ADRを引き下げている状況が見えません。客室タイプ別の収益分析は、ADR改善の出発点となります。

原因⑤:競合価格の追従と独自価値の不在

近隣競合の価格を見て「うちも下げないと負ける」と追従するうちに、価格競争に巻き込まれてADRが下げ止まらなくなる現象もよく見られます。競合とは異なる独自価値(食事、立地、サービス、コンセプト)を打ち出すことで価格競争から離脱することが、中長期のADR向上につながります。


ADR改善の3段階アプローチ

この章の結論

第1段階:現状分析と適正ADR算定(データ整備)。
第2段階:プラン設計と価格戦略の再構築(攻め)。
第3段階:付加価値強化とブランド構築(守り)。3段階を並行して進めることが理想。

第1段階:現状分析と適正ADRの算定(基盤づくり)

第1段階で実施すべきこと

直近12ヶ月のADR・OCC・RevPARを月別・客室タイプ別に整理
競合セット(同立地・同規模・同価格帯3〜5施設)の価格をOTAで定点観測
業態別・地域別の業界平均と比較し適正ADRレンジを算定

多くの施設では、この第1段階の「データ整理」自体が十分にできていません。Excel等で月次・客室タイプ別のADR推移を可視化することから始めましょう。

第2段階:プラン設計と価格戦略の再構築(攻め)

▲ 第2段階で実施すべきこと(攻めの実行)

高単価プラン(特別フロア・エグゼクティブ・記念日プラン)の新設
曜日別・季節別の段階的ダイナミックプライシング導入
公式サイト直販プランへの優遇特典付与(直販比率引き上げ)

ダイナミックプライシングの詳細については、関連記事もあわせてご参照ください。

第3段階:付加価値強化とブランド構築(守り)

▼ 第3段階で実施すべきこと(守りの底上げ)

客室・共用部・食事の付加価値強化による「値上げの正当化」
口コミ評価向上施策によるレビュースコアの底上げ
リピーター向け会員制度導入による直販ADRの安定化

付加価値の強化は短期的に効果が見えにくい施策ですが、中長期で見ると「価格競争から離脱する」ための最も重要な投資です。第1・第2段階で短期収益を確保しつつ、第3段階を並行して進めることが理想形となります。


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RevPAR・OCC・GOPとの関係性

この章の結論

RevPAR=ADR×OCC。ADRが高くてもOCCが低ければRevPARは伸びない。
ADR改善の最終目標は「GOPの増加」。コスト構造を無視した単価向上は逆効果になる。
3指標はそれぞれ評価軸が異なる。連動させた経営判断が収益最大化の鍵。

三大指標の関係式

ADRを単独で見ると判断を誤ります。ADR・OCC・RevPARの3指標は以下の関係式で連動しています。

RevPAR = ADR × OCC

たとえば、ADR20,000円・OCC(稼働率)80%の場合、RevPARは16,000円となります(20,000円 × 0.8 = 16,000円)。一方、ADR25,000円・OCC60%の場合、RevPARは15,000円です(25,000円 × 0.6 = 15,000円)。前者の方がRevPARが高いため、「ADRは低めでも稼働を上げる戦略」が結果的に収益最大化につながる、という判断ができます。

パターン ADR OCC RevPAR
A:稼働重視 20,000円 80% 16,000円
B:単価重視 25,000円 60% 15,000円
C:バランス 22,000円 75% 16,500円

GOP(営業総利益)との関係

RevPARが「客室収益の最大化」を測る指標であるのに対し、GOP(営業総利益)はコストを差し引いた最終利益を見る指標です。ADRを上げても、それに伴う付加価値強化のコスト(食事グレードアップ、アメニティ充実、人件費増加など)が膨らめば、GOPは改善しません。ADR改善の最終ゴールは「GOPの増加」であることを忘れず、施策ごとに費用対効果を検証する必要があります。

3指標の比較まとめ

指標 何を評価するか 単独使用の限界
ADR 客室の価格水準 空室の影響を無視
OCC 客室の売れ行き 単価の高低を反映しない
RevPAR 収益性の総合評価 経費・利益を反映しない

関連記事もあわせてご覧ください。RevPAR(レブパー)とは?ホテルの稼働率(OCC)とは?レベニューマネジメントとは?


ADR×OCC×RevPAR連動シミュレーター

3指標を連動させて収益最大化シナリオを試算

ADR・OCC・RevPARの関係を実際の数値で試算できるシミュレーターです。現状の経営数値を入力し、目標ADRに変更した場合のRevPAR変化を可視化できます。値上げ施策の効果を事前にシミュレーションすることで、判断の精度を高めることができます。

📊 ADR×OCC×RevPAR連動シミュレーター
現在の経営数値と目標ADRを入力すると、RevPAR改善額と年間収益インパクトを自動試算します。
食事・宴会・付帯売上は含めず、客室販売分のみ
RevPARと年間収益インパクトの算出に使用
例:75 と入力(%は不要)
%
現状ADRとの差:入力すると自動計算
📈 現状の指標
現在のADR
20,000 円
現在のOCC
75.0 %
現在のRevPAR
15,000 円
🎯 目標ADR達成時の試算
現在のADR
20,000 円
目標ADR
25,000 円
+25.0% UP
目標RevPAR
18,750 円
RevPAR改善額(1室・1日)
+3,750 円
年間収益インパクト(全室)
+136,875,000 円
シミュレーションを実行中です…

ADRを改善するには、価格設定だけでなくプラン構成・チャネル戦略・付加価値強化など複数の打ち手を組み合わせる必要があります。どこから着手すべきかは、自館が「ADR不足」なのか「データ整備不足」なのかを先に切り分けることが出発点です。


ADR改善で陥りやすい失敗パターン5例

失敗①:値上げだけでADRを狙い稼働率が激落ち

「ADRを上げよう」と一律値上げを実施した結果、稼働率が20ポイント以上落ち、RevPARが大幅に悪化するケースです。値上げの前に「なぜ今の価格で売れているのか」「上乗せ価値を提供できるか」を検討せず、価格だけを動かしてしまうのが原因です。

失敗②:OTAの言い値で価格設定しADRの主導権を失う

OTAのレコメンド機能や売れ筋ランキングに合わせて価格を下げ続けるうちに、ADRが構造的に低下していくパターンです。OTAは「売れること」を優先しますが、ホテル側の収益最大化と利害が一致するとは限りません。販売の主導権を取り戻すには、直販比率の引き上げが必須となります。

失敗③:ADRだけ追ってRevPARが改善しない

「ADRが上がった!」と喜んでいたら、OCCが大きく下がっていてRevPARは横ばい、というケースです。ADRは単独指標ではなく、必ずOCC・RevPARとセットで評価する必要があります。

失敗④:繁忙期も閑散期も同一料金で機会損失

「料金を変えるのは面倒」「値上げするとクレームが来る」という理由で、年間通じて同一料金を維持している施設では、繁忙期に取れる上乗せ単価を取り逃がし続けています。曜日別・季節別の段階的価格設定を導入するだけでも、年間ADRは数%改善することが可能です。

失敗⑤:競合比較をせず独りよがりな価格設定

競合セットの価格動向を見ずに自館だけで価格を決めているケースでは、市場相場と乖離した価格設定になりがちです。価格が高すぎれば稼働が落ち、安すぎればADRが下がります。週次で競合の公開価格をチェックする仕組みづくりが、最低限必要です。

⚠️ 「怖くて値上げできない」という現場の声
支援現場で最も多い声がこれです。しかし高需要日に限定した値上げであれば予約減はほぼ起きません。問題が起きるのは需要のない日に無理に単価を上げた場合です。前年同日の稼働実績・競合の空室状況・予約ペースの3点を確認し、データに基づいて価格を動かすことが、ADR改善の出発点となります。


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10問でADR改善の優先施策を判定

以下の10問にはい/いいえで回答すると、ADR改善における優先施策と内製可能性を判定します。所要時間は2分程度です。

✅ ADR改善余地診断チェック
10の項目にはい/いいえで答えると、自施設のADR管理レベルと推奨アクションを自動で判定します。
回答済み:0 / 10 問 0%
全10問に答えると診断結果が表示されます

内製の限界とプロに任せるべき境界線

内製で対応できる範囲

ADR改善のうち、内製で十分に対応可能な領域は次のとおりです。月次のADR・OCC・RevPAR集計、競合価格の定点観測、プラン構成の見直し、公式サイト直販プランの設計、口コミレビューへの返信といった「日次・週次のオペレーション領域」は、現場スタッフでも実行できます。

内製では限界がある領域

⚠️ 内製対応の限界——「担当者頼み」のADR管理が招く3つのリスク

ADR管理を担当者個人の経験と感覚に依存している施設では、①繁忙期の単価取り逃がし(過去の価格踏襲)、②閑散期の過剰値下げ(競合反応の遅れ)、③属人化による引き継ぎリスク——の3つが慢性的に発生します。PMSとサイトコントローラーのデータを連携し、日次で自動集計する仕組みを作ることが「内製の限界」を突破する第一歩です。

具体的には、第一に、ダイナミックプライシングの本格運用です。需要予測モデルの構築、365日×複数プラン×複数客室タイプの価格自動制御は、専用のRMSツールと熟練したレベニューマネージャーがいなければ運用できません。第二に、適正ADRレンジの算定です。業態・立地・施設グレードを踏まえた競合分析と市場ポジショニングは、業界横断のデータを持つプロでなければ精度の高い判断ができません。第三に、抜本的なプラン構成・販売チャネル戦略の再設計です。これは経営判断と現場オペレーションを横断する領域のため、外部知見の活用が成果に直結します。

プロとの差が出るポイント

🔍 プロとの差——専門家が持つ「3つの武器」

レベニューマネジメントの専門家は、①需要予測モデル(イベント・祝日・天候を加味した将来稼働推定)、②競合モニタリング(OTA上のリアルタイム価格比較)、③チャネル別損益の可視化(手数料控除後ネットADRの管理)——を組み合わせた意思決定を行います。自施設の担当者が「今日の競合価格を手動で確認する」レベルに留まっている間に、専門家は30日先の需要を予測して価格を動かしています。この差が半年後・1年後の収益格差として現れます。

領域 内製の限界 プロが提供する価値
価格戦略 経験則・勘に依存 需要予測モデルと業界データに基づく科学的判断
競合分析 OTA表面価格のみ把握 プラン構成・販売状況・顧客属性まで踏み込んだ分析
改善施策 単発施策の積み重ね 3〜6ヶ月の体系的ロードマップとKPI管理
実行体制 本業との兼務で進捗鈍化 専任チームによる迅速なPDCA

よくある質問(FAQ)

ADRに関するよくある疑問

ADRとRevPARはどちらを優先すべきですか?
A. 最終的に優先すべきはRevPARです。RevPARはADR×OCCで算出されるため、両指標を総合的に評価できます。月次・施策単位ではADRの動きも追い、ADRが下落していないか確認することが重要です。ADRが下がっていないかを確認しつつ、RevPARの最大化を目指す——これが収益管理の基本姿勢です。
ADRを上げると稼働率が下がりませんか?
A. 単純な値上げをすれば稼働率は下がります。重要なのは「上乗せ価値を作ったうえで値上げする」ことです。客室リニューアル、特別フロア化、食事グレードアップ、サービス強化などによって価値を高めれば、ADRを上げてもOCCを維持できます。また、高需要日に限定した値上げであれば稼働への影響は軽微です。
小規模旅館でもADR管理は必要ですか?
A. むしろ小規模だからこそADR管理が重要です。客室数が少ない施設では、1室あたりの単価が経営にダイレクトに影響します。値段を下げて稼働を埋めるだけでは利益が出ないため、付加価値による単価向上が小規模施設の生命線となります。月次の手計算でも構わないので、まずADRを継続的に追う習慣をつけることから始めましょう。
ADRが業界平均を下回っている場合、まず何をすべきですか?
A. まずは原因の特定です。プラン構成の偏り、OTA依存、季節別価格設定の欠如、客室タイプ別の不均衡など、どこに問題があるかを切り分けます。次に、競合セット(同立地・同規模・同価格帯3〜5施設)の価格を週次で観測し、自館の立ち位置を把握したうえで、改善優先順位を決定します。本記事の診断チェックツールも活用してください。
ダイナミックプライシングとADR管理はどう違いますか?
A. ADR管理は「結果指標を見て経営判断する」活動、ダイナミックプライシングは「需要に応じて価格を動的に変える」実行手段です。ダイナミックプライシングはADRを最大化するための代表的な手法であり、両者は対立するものではなく補完関係にあります。ADRを上げる「目的」と、それを実現する「手段」の関係です。

まとめ:ADRは単独でなく3指標連動で見る

ADRを上げたいけれど稼働が落ちるのが怖い——その悩みの本質は、ADRを単独で評価していることにあります。ADR(Average Daily Rate:平均客室単価)は、宿泊売上合計を販売客室数で割って算出する、ホテル経営の収益力を測る最重要指標の一つです。ただしADRを単独で評価するのは危険であり、必ずOCC(稼働率)・RevPAR(販売可能客室1室あたり収益)と連動させて判断する必要があります。RevPAR=ADR×OCCという関係式が、判断のすべての出発点となります。

ADR改善は、「現状分析」「プラン設計と価格戦略」「付加価値強化とブランド構築」の3段階アプローチで進めます。一律値上げ、OTA言い値追従、ADR単独評価、同一料金維持、競合無視といった失敗パターンを避け、業界平均を踏まえた適正レンジの中で、戦略的に単価を引き上げていくことが収益最大化の王道です。

ADRの集計や日常的なプラン見直しは内製で対応可能ですが、ダイナミックプライシングの本格運用、適正ADRレンジの算定、抜本的な販売戦略再設計といった領域は、業界横断のデータと専門知見を持つプロの活用が成果に直結します。

リロホテルソリューションズの支援実績

シティホテル(55室) 旅館(30室)
ADR 18%向上

・客室タイプ別の収益分析で改善対象を特定
・高単価プラン3種類を新設し直販誘導
・OTA依存から直販強化へシフト
利益改善 8,800万円

・高稼働日のADR引き上げでRevPAR向上
・閑散期の底上げプランで年間OCC安定化
・OTAセール対抗プランを公式限定販売

支援施設全体では、3〜6ヶ月でADR 10〜20%改善、RevPAR 15〜30%改善のケースが多く見られます。特にデータ整備が不十分だった施設ほど、改善幅が大きい傾向があります。

株式会社リロホテルソリューションズでは、ADRをはじめとする収益指標の改善を、データ分析から価格戦略の立案・実行まで一貫して支援しています。ADRが伸び悩んでいる、どこから手をつければいいかわからない、そういった方はお気軽にご相談ください。まずは無料の「宿の健康診断」で、自館のADR改善余地を客観的に把握することから始めてみてください。

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【監修者情報】
全国50施設以上のホテル・旅館を運営するグループ企業のノウハウを活かし、宿泊施設の売上向上とGOP最大化を支援するコンサルティング会社。
価格戦略、OTA運用、人件費最適化、業務効率化まで踏み込み、利益の残るホテル経営を実現します。

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