コラム

2026.06.18

客室ステータスとは?Occupied・VC・VD・OOOの意味と管理実務を解説

客室ステータスとは?Occupied・VC・VD・OOOの意味と管理実務を解説

「VCって何の略だっけ?」「OOOとOOS、結局どっちが正しいの?」——フロントに新人が入るたびに、こうした質問に答え直していませんか。

客室ステータスは、Occupied(在室)・Vacant(空室)・VC(清掃済空室)・VD(清掃待ち空室)・OOO(修理中)・OOS(一時休止)など、似たような略語が並ぶうえ、PMS(宿泊管理システム)によって表記がバラバラという厄介な領域です。「だいたい分かっている」つもりのまま現場が回っていると、清掃完了部屋が販売されずに稼働率(OCC)を取り逃がす、修理中の部屋が予約可能枠に残ってダブルブッキングを招く——といった、収益に直結するミスが静かに発生します。

本記事では、客室ステータスの基本用語から、PMS各社での表記の違い、ステータス管理がOCC・RevPARにどう連動するかまで、フロント業務責任者・支配人が実務でそのまま使える形で整理しました。新人教育の教材としても、PMS選定時の比較資料としても活用いただけます。


📌 この記事でわかること

Occupied・Vacant・VC・VD・OOO・OOSなど客室ステータスの意味と全体像
PMS各社で表記が異なるステータスの読み替え方と管理実務
ステータス誤認が稼働率(OCC)・収益(RevPAR)を直接削る仕組みと防ぎ方
🎯 この記事はこんな方に向けて書いています
客室ステータスの運用ルールを整備したいフロント業務責任者・支配人
PMS(宿泊管理システム)の導入・入れ替えを検討中の経営者
新人教育で「ステータス用語が伝わらない」と感じている管理者
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客室ステータスとは?全体像をつかむ

この章の結論

客室ステータスとは、各部屋が「今どういう状態か」をフロント・清掃・予約で共有するための表示。
大きく「在室状況(Occupied/Vacant)」「清掃状況(Clean/Dirty)」「販売可否(OOO/OOS)」の3軸で整理できる。
ステータスの正確さがそのまま販売可能客室数を決め、稼働率(OCC)と収益を左右する。

客室ステータスの基本概念

客室ステータスとは、ホテルや旅館の各客室が「現在どのような状態にあるか」を示す管理表示のことです。チェックイン中なのか、清掃が済んでいるのか、故障で売れないのか——こうした状態を、フロント・客室清掃(ハウスキーピング)・予約担当が同じ言葉で共有するために使われます。

客室ステータスは英語表記や略語で運用されることが多く、現場では「VC」「VD」「OOO」といった略語が飛び交います。これらの意味を全スタッフが正確に理解していないと、「売れる部屋を売り逃す」「清掃前の部屋に客を案内してしまう」といったトラブルにつながります。ステータス管理は、単なる事務作業ではなく収益と顧客満足を左右する実務の土台です。

客室ステータスを構成する3つの軸

数多くあるステータス用語も、次の3つの軸で整理すると一気に理解しやすくなります。

【図解】客室ステータスを構成する3つの軸

軸① 在室状況
客が滞在中か空いているか
Occupied(在室)/Vacant(空室)
軸② 清掃状況
清掃が済んで販売できる状態か
Clean(清掃済)/Dirty(清掃前)
軸③ 販売可否
そもそも販売できる部屋か
OOO(故障)/OOS(販売停止)

※実務では軸①と軸②を組み合わせた略語(VC=Vacant Clean、VD=Vacant Dirty など)が使われます。次章で詳しく見ていきます。

客室ステータスはホテル業界で頻出する基礎用語のひとつです。関連する業界用語を体系的に整理したい方は「ホテル用語完全辞典|フロント・客室・経営・収益指標を体系的に解説」もあわせてご覧ください。


Occupied・Vacant・VC・VD|基本ステータスの違い

この章の結論

Occupied=客が滞在中、Vacant=空室。これが在室状況の基本。
VC(Vacant Clean)=今すぐ販売できる空室、VD(Vacant Dirty)=清掃が必要な空室。
「VCがいくつあるか」が、その時点で本当に売れる部屋数を表す。

Occupied(在室)とVacant(空室)の違い

客室ステータスの最も基本となるのが、「Occupied」と「Vacant」の区別です。

Occupied(オキュパイド)は、客がチェックインして実際に滞在している状態を指します。一方Vacant(ベイカント)は、客がいない空室の状態です。Occupiedの詳しい意味や使われ方については「Occupied(オキュパイド)とは?ホテルでの意味と使い方」で個別に解説しています。本記事ではステータス全体の体系として整理します。

VC・VD・OC・OD|在室と清掃を組み合わせた4区分

実務では、在室状況(Occupied/Vacant)と清掃状況(Clean/Dirty)を組み合わせた略語が使われます。代表的な4つを押さえましょう。

略語 正式名称 状態 販売可否
VC Vacant Clean 空室・清掃済 ○ 即販売可
VD Vacant Dirty 空室・清掃前 △ 清掃後に可
OC Occupied Clean 在室・清掃済 × 滞在中
OD Occupied Dirty 在室・清掃前 × 滞在中

この中で最も重要なのがVC(Vacant Clean)です。VCは「今この瞬間に販売できる空室」を意味し、フロントが新規チェックインや当日販売に回せる部屋を正確に表します。「空室はあるはずなのに案内できる部屋がない」という事態は、VDがVCに切り替わるタイミングを把握できていないことが原因で起こります。

VDをいかに早くVCに変えるかが回転率を決める
チェックアウト直後の部屋はすべてVD(空室・清掃前)です。清掃が完了して初めてVCになり、販売可能になります。連泊の少ない都市型ホテルでは、この「VD→VC」の回転速度が当日の販売可能客室数を直接左右します。清掃の進捗をリアルタイムでステータスに反映できる体制が、稼働率の底上げにつながります。

客室ステータス用語クイズ

VC・VD・OOOなど、現場で頻出する客室ステータス用語の理解度を5問でチェックできます。新人教育の理解度確認にもご活用ください。

📝 客室ステータス用語クイズ(全5問)
各問の選択肢から正しいものを1つ選んでください。回答すると正誤と解説が表示され、次の問題へ進みます。
第 1 問 / 全 5 問

Clean/Dirty(清掃ステータス)区分が重要な理由

この章の結論

Clean=清掃済で販売可、Dirty=清掃前で販売不可。空室でも「売れる空室」と「まだ売れない空室」は別物。
清掃後の点検済を示す「Inspected(点検済)」を別ステータスとして持つPMSもある。
フロントと清掃のステータス連携が遅れると、「売れる部屋を売れない」機会損失が生じる。

「空室=販売可能」ではない

客室管理でつまずきやすいのが、「空室なのだから売れるはず」という思い込みです。実際には、空室であっても清掃が済んでいなければ販売できません。ここで効いてくるのが清掃ステータス「Clean/Dirty」の区分です。

Clean(クリーン)は清掃が完了し、すぐに次の客を迎えられる状態。Dirty(ダーティ)は前の客が退出した後、まだ清掃が入っていない状態を指します。同じ「空室(Vacant)」でも、VC(Vacant Clean)は今すぐ売れる部屋、VD(Vacant Dirty)は清掃後でないと売れない部屋であり、収益管理上はまったく意味が異なります。

Inspected(点検済)を加えた清掃フロー

清掃ステータスをより細かく管理するため、清掃完了後に管理者が点検した状態を「Inspected(点検済)」として別に持つPMSもあります。この場合、清掃ステータスは次のように流れます。

【図解】チェックアウトから再販売までの清掃ステータスの流れ

① Dirty
チェックアウト直後
清掃前
② Clean
清掃完了
(点検待ち)
③ Inspected
点検済
販売OK

※Inspectedを設けない施設では、②Cleanがそのまま販売可能ステータスになります。自施設のPMSがどの方式かを確認しておくことが大切です。

清掃ステータス連携の遅れが機会損失を生む

清掃ステータスの更新が遅れると、実際には清掃が終わっているのにシステム上はDirtyのまま、という状態が起こります。すると、フロントは「販売可能な部屋がない」と判断し、当日販売やアップグレードの機会を逃します。逆に、清掃が終わっていないのにCleanと表示されれば、清掃前の部屋に客を案内する重大なトラブルにつながります。

客室清掃スタッフがモバイル端末で清掃完了を即時入力し、フロントのPMSにリアルタイム反映される仕組みを整えることが、こうした機会損失とトラブルを同時に防ぐ鍵になります。


Out of Order(OOO)とOut of Service(OOS)の違い

この章の結論

OOO(Out of Order)=故障・破損で物理的に売れない部屋。販売可能客室数から除外する。
OOS(Out of Service)=意図的に販売を止めている部屋。稼働率の分母に含めるか方針で分かれる。
この2つの扱いを混同すると、稼働率(OCC)が実態とずれて経営判断を誤る。

OOOとOOSの定義

「販売できない部屋」を表すステータスにも、性質の異なる2種類があります。それがOOO(Out of Order)とOOS(Out of Service)です。

OOO(アウト・オブ・オーダー)は、設備の故障・水漏れ・破損など、物理的な不具合で販売できない状態を指します。修理が完了するまで売ることができません。一方OOS(アウト・オブ・サービス)は、部屋自体は使えるものの、運営上の都合で意図的に販売を止めている状態です。たとえば改装準備、長期清掃、団体用のブロック確保、繁忙期に備えた予備室などが該当します。

  OOO(Out of Order) OOS(Out of Service)
理由 故障・破損・水漏れなど物理的不具合 運営判断による意図的な販売停止
部屋の状態 使用不可(要修理) 使用可能(あえて売らない)
OCCの分母 除外するのが一般的 含めるか除くかは方針による

稼働率(OCC)計算での扱いの違い

OOOとOOSの違いが経営に直結するのが、稼働率(OCC)の計算です。OCCは「販売客室数 ÷ 販売可能客室数」で求めますが、この分母をどう数えるかでステータスの扱いが変わります。

OOOは物理的に売れないため、販売可能客室数の分母から除外するのが一般的です。一方OOSは「売れるのにあえて売っていない」状態のため、分母に含めて稼働率を厳しく見るか、除外して実態に近づけるか、施設の方針で判断が分かれます。この扱いを統一せずに月ごとにバラバラに計算すると、稼働率の数字が前月と比較できなくなり、経営判断を誤ります。OCCの計算方法そのものについては「ホテル稼働率(OCC)とは?計算方法・業界平均・改善策を解説」で詳しく解説しています。

OOOの「放置」が最も多い機会損失
故障で一度OOOにした部屋を、修理完了後もステータスを戻し忘れて販売停止のままにしている——これは支援現場で非常によく見かけるパターンです。OOOにした部屋には「いつまでに直すか」「誰が戻すか」をセットで管理し、定期的にOOO一覧を棚卸しする運用が欠かせません。


PMS各社の客室ステータス表記比較

この章の結論

同じ「清掃前の空室」でも、PMS(宿泊管理システム)によって表記・色分けが異なる。
システムを入れ替えると現場が混乱するため、自施設の対応表を作っておくと教育が早い。
PMS選定では「ステータスの粒度」と「清掃端末との連携」が現場の使いやすさを左右する。

システムごとに表記が違う理由

客室ステータスはホテル業界共通の概念ですが、PMS(宿泊管理システム)の製品ごとに表記方法が異なります。略語で表すもの、日本語ラベルで表すもの、色だけで区別するものなどさまざまで、同じ状態でも見た目が変わります。複数施設を運営していたり、システムを入れ替えたりする際に、現場が混乱する原因のひとつがこれです。

主なステータス表記パターンの対応イメージ

製品名は施設ごとに導入状況が異なるため、ここでは代表的な「表記パターン」として整理します。自施設のPMSがどのパターンかを確認し、対応表を作っておくと教育がスムーズになります。

状態 略語表記型 日本語ラベル型 色分け型の例
空室・清掃済(即販売可) VC 空室(清掃済)
空室・清掃前 VD 空室(清掃前)
在室(滞在中) OC/OD 在室
故障・販売不可 OOO 故障中 赤/グレー
意図的に販売停止 OOS 販売停止 グレー

※上記は代表的な表記パターンを整理したものです。実際の略語・色は導入しているPMSによって異なります。自施設の表記を上表に当てはめた「対応表」を作成し、フロント・清掃・予約で共有しておくと、新人教育やシステム入れ替え時の混乱を大幅に減らせます。

PMS選定時に確認すべき2つのポイント
システムの導入・入れ替えを検討する際は、①ステータスの粒度(Inspectedや清掃中など細かい状態を持てるか)、②清掃端末との連携(清掃スタッフのモバイル入力がフロント画面に即時反映されるか)——の2点を必ず確認しましょう。表記の見やすさだけでなく、現場のオペレーションにどう乗るかが、稼働率に直結します。PMSの選び方は「ホテルPMSとは?機能・選び方・導入メリットを解説」で詳しく解説しています。


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客室ステータスと収益管理(OCC・RevPAR)の連動

この章の結論

ステータスの正確さが「販売可能客室数」を決め、それが稼働率(OCC)の分母になる。
VCの把握漏れは「売れる部屋を売り逃す」、OOOの戻し忘れは「分母を誤って稼働率を誤認」につながる。
ステータス管理は地味な実務だが、RevPAR(1室あたり収益)を支える土台そのもの。

ステータスがOCC・RevPARの分母を決める

客室ステータスは単なる現場の事務作業ではなく、収益指標の精度を直接左右します。稼働率(OCC)は「販売客室数 ÷ 販売可能客室数」で計算されますが、この販売可能客室数を正しく数えられるかどうかは、ステータス管理の正確さで決まるからです。

なお、観光庁が毎月公表している宿泊旅行統計調査では、施設タイプ別の客室稼働率の実態値が確認でき、自施設のOCCを業界の動きと比較する際の参考になります。

【図解】客室ステータスが収益指標に与える影響

客室ステータスを正確に管理
VC/VD/OOO/OOSが常に最新の状態
販売可能客室数が正確になる
「今売れる部屋」を取りこぼさず把握できる
OCC(稼働率)が正確化
分母が正しく、経営判断がブレない
RevPAR最大化に貢献
売り逃しが減り、1室あたり収益が向上

ステータス管理が崩れると収益はこう削られる

逆に、ステータス管理が崩れると収益は静かに削られていきます。代表的なのが次の2つです。1つ目はVCの把握漏れ。清掃が終わっているのにステータスがVDのままだと、フロントは販売可能な部屋がないと判断し、当日の駆け込み需要やアップグレード販売を逃します。2つ目はOOOの戻し忘れ。修理が済んだ部屋をOOOのまま放置すると、その部屋がずっと販売可能客室数の外に置かれ、売れたはずの在庫を失い続けます。

RevPAR(販売可能客室1室あたりの収益)を高めるには、まずその「販売可能客室」を正確にカウントできていることが大前提です。ステータス管理は、収益管理の最も基礎的な土台といえます。RevPARの考え方は「RevPARとは?計算式・ADR・OCC・業界平均と改善策を解説」をご覧ください。

✅ 客室ステータス管理チェックリスト
自施設のステータス管理体制に当てはまる項目をタップしてチェックしてください。10項目中いくつ満たせているかで、管理レベルと改善ポイントを自動で判定します。
チェック済み:0 / 10 項目 0%
📋 あなたの施設の管理レベル判定
項目をチェックすると判定が表示されます
10項目のうち、自施設に当てはまるものをタップしてください。

ステータス管理とPMS活用、まとめて相談できます

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失敗パターン:ステータス誤認が招く機会損失

現場で繰り返される3つの失敗

客室ステータスの管理ミスは、目に見える事故になりにくいぶん、気づかないうちに収益を削り続けます。支援現場で繰り返し見てきた、典型的な3つの失敗パターンを紹介します。

⚠️ ステータス誤認で起きる3つの機会損失

失敗①:清掃済みなのにVDのまま → 売れる部屋を売り逃す

清掃完了がシステムに反映されず、フロントが「満室」と判断して当日の駆け込み予約を断ってしまう。実際にはVCの部屋があったのに、1泊分の売上を毎回取り逃がします。

失敗②:修理済みなのにOOOのまま放置 → 在庫が消える

故障で販売停止にした部屋を、修理完了後もステータスを戻し忘れる。その部屋は販売可能客室数から外れたまま、何日も、ときに何週間も売られずに「消えた在庫」になります。

失敗③:清掃前なのにCleanと表示 → 客を案内してクレーム

ステータスの更新ミスで、清掃前の部屋に客を通してしまう重大なトラブル。売上以前に信頼と口コミ評価を失い、長期的な集客にまで悪影響が及びます。

これら3つに共通するのは、「ステータスの更新が、現場のリアルタイムな状況に追いついていない」という点です。紙の清掃表やスタッフ間の口頭連絡に頼っている施設ほど、こうした誤認が起こりやすくなります。

⚠️ 内製対応の限界——「紙とExcel」のステータス管理が招く3つのリスク

ステータス管理を紙の清掃表やExcel、スタッフ間の口頭連絡に頼っている施設では、①更新の遅延(清掃完了がフロントに伝わるまでタイムラグが生じる)、②転記ミス・戻し忘れ(OOOの解除漏れ、ステータスの書き間違い)、③属人化(ベテラン1人が頭の中で在庫を把握しており、その人が不在だと回らない)——の3つが慢性的に発生します。客室数が増えるほど人力管理は限界に達し、見えないところで売り逃しが積み上がります。PMSと清掃端末を連携させ、ステータスを自動・リアルタイムで一元管理する仕組みが、内製の限界を突破する第一歩です。

🔍 プロとの差——専門家が持つ「3つの視点」

客室管理を仕組みとして設計するプロは、①オペレーション設計(フロント・清掃・予約のステータス更新フローを業務動線に沿って組む)、②システム連携の最適化(PMS・サイトコントローラー・清掃端末をつなぎ、二重入力をなくす)、③ステータスデータの収益活用(VD→VCの回転時間や直前在庫を分析し、当日販売・価格調整に活かす)——という視点を持っています。現場が「ステータスを正しく入力する」段階に留まっている間に、専門家は「ステータスデータを稼働率と収益の改善に変える」ところまで踏み込んでいます。この差が、同じ客室数でも年間の取りこぼし額として表れます。


よくある質問(FAQ)

客室ステータスに関するよくある疑問

VCとVDの違いは何ですか?
A. どちらも空室(Vacant)ですが、清掃状況が異なります。VC(Vacant Clean)は清掃済みで今すぐ販売できる空室、VD(Vacant Dirty)は清掃前でまだ販売できない空室です。チェックアウト直後の部屋はVDで、清掃が完了するとVCに切り替わります。「今売れる部屋数」を正確に把握するには、VCの数を見ることが重要です。
OccupiedとVacantはどう使い分けますか?
A. Occupied(オキュパイド)は客がチェックインして滞在中の状態、Vacant(ベイカント)は客がいない空室の状態を指します。在室状況を表す最も基本的なステータスで、これに清掃状況(Clean/Dirty)を組み合わせてVC・VD・OC・ODと細かく管理します。Occupied単体の詳しい意味は専用記事でも解説しています。
OOOとOOSの違いを教えてください。
A. OOO(Out of Order)は故障・破損など物理的な不具合で販売できない状態、OOS(Out of Service)は部屋自体は使えるものの運営判断で意図的に販売を止めている状態です。OOOは稼働率(OCC)の分母から除外するのが一般的ですが、OOSは含めるか除くかが施設の方針で分かれます。この扱いを統一しないと稼働率の数字が比較できなくなります。
客室ステータスは稼働率(OCC)にどう影響しますか?
A. 稼働率は「販売客室数 ÷ 販売可能客室数」で計算され、この販売可能客室数をステータス管理が決めます。OOO(故障)は分母から除く一方、VCの把握漏れは「売れる部屋を売り逃す」、OOOの戻し忘れは「分母を誤って稼働率を実態とずらす」ことにつながります。ステータスの正確さが、そのままOCC・RevPARの精度を左右します。
Inspected(点検済)とは何ですか?
A. 清掃が完了した部屋を、管理者が最終点検した状態を示すステータスです。「Dirty(清掃前)→ Clean(清掃完了)→ Inspected(点検済・販売OK)」という流れで管理します。Inspectedを設けることで品質チェックが徹底されますが、設けない施設ではCleanがそのまま販売可能ステータスになります。自施設のPMSがどちらの方式かを確認しておきましょう。
PMSによってステータス表記が違うのはなぜですか?
A. 客室ステータスは業界共通の概念ですが、製品ごとに略語・日本語ラベル・色分けなど表記方法が異なるためです。システムを入れ替えると現場が混乱しやすいため、自施設の表記を「空室・清掃済=VC=緑」のように整理した対応表を作り、フロント・清掃・予約で共有しておくと、新人教育や移行時の混乱を減らせます。
清掃ステータスの更新が遅れると何が起きますか?
A. 清掃が終わっているのにシステム上はVDのままだと、フロントは販売可能な部屋がないと判断し、当日の駆け込み需要やアップグレード販売を逃します。逆に清掃前なのにCleanと表示されると、清掃前の部屋に客を案内する重大なトラブルになります。清掃スタッフがモバイル端末で完了を即時入力し、フロントに自動反映される仕組みが有効です。
OOOにした部屋の管理で気をつけることは?
A. 最も多い失敗が「修理完了後の戻し忘れ」です。OOOにした部屋には「いつまでに直すか(復旧予定日)」「誰が戻すか(担当者)」をセットで記録し、OOO一覧を定期的に棚卸しすることが重要です。戻し忘れた部屋は販売可能客室数から外れたまま、売れたはずの在庫を失い続けます。
小規模な旅館でもステータス管理は必要ですか?
A. 規模を問わず必要です。客室数が少なくても、清掃の進捗把握やOOOの管理は収益と顧客満足に直結します。ただし数室規模であれば、必ずしも高機能なPMSは要らず、まずは「VC・VD・OOOを共通言語にする」「OOOに復旧予定を必ず書く」といったルール整備から始められます。客室数が増えてきたら、システム化を検討するのがよいでしょう。
PMS選定でステータス管理の観点では何を見るべきですか?
A. ①ステータスの粒度(Inspectedや清掃中など細かい状態を持てるか)、②清掃端末との連携(清掃スタッフのモバイル入力がフロント画面に即時反映されるか)、③稼働率計算との整合(OOO・OOSを分母にどう扱うか設定できるか)——の3点が重要です。画面の見やすさだけでなく、自施設の業務動線に乗るかどうかを実際の運用イメージで確認しましょう。

まとめ:ステータス管理は収益管理の土台

客室ステータスの管理は、地味でありながら稼働率と収益を静かに左右する、ホテル経営の土台です。Occupied・Vacant・VC・VD・OOO・OOSといった用語は、単なる現場の符丁ではなく、「今この瞬間、何室を売れるのか」を正確に把握するための共通言語です。

客室ステータスは「在室状況(Occupied/Vacant)」「清掃状況(Clean/Dirty)」「販売可否(OOO/OOS)」の3軸で整理でき、なかでもVC(今すぐ売れる空室)の正確な把握が販売機会を決めます。一方で、清掃済みなのにVDのまま放置する、修理済みなのにOOOを戻し忘れる、といった誤認は、見えないところで売上を削り続けます。PMSの表記は製品ごとに異なるため、自施設の対応表を整え、清掃端末との連携でリアルタイムに更新できる体制を作ることが鍵になります。

ステータスの正確さは、そのまま稼働率(OCC)とRevPAR(1室あたり収益)の精度に直結します。まずは自施設のステータス管理体制を点検し、用語の共通認識づくりとOOOの棚卸しから始めてみてください。仕組みが整えば、客室在庫を一室も取りこぼさない運営に近づきます。

リロホテルソリューションズのDX・運営支援

ビジネスホテル(90室) 温泉旅館(40室)
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ステータス管理の見直しは、PMS活用や稼働率改善とセットで取り組むことで効果が高まります。客室数が多い施設ほど、人力管理からの脱却インパクトが大きい傾向があります。

株式会社リロホテルソリューションズでは、客室ステータス管理の仕組みづくりから、PMS選定・DX化、稼働率・収益改善まで一貫して支援しています。「在庫の取りこぼしが気になる」「PMSの入れ替えを検討している」そういった方はお気軽にご相談ください。

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【監修者情報】
「90日で黒字化」を目標に、全国リゾート地・過疎地の宿泊施設を運営してきたプロ集団です。
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