リロホテルソリューションズ

コラム

2025.08.18

ホテル広告にはどんな種類がある?選び方と運用のポイントを解説

ホテル広告にはどんな種類がある?選び方と運用のポイントを解説

ホテルの集客力を高めるために「広告を活用してみよう」と思われる方も多いと思います。しかし、広告にはさまざまな種類があり、どれを選べば良いのか、どれくらい効果があるのか分からず悩む方も少なくありません。

この記事では、ホテルに適した広告の種類や特徴を解説します特に注目度の高い『Googleホテル広告』や『リスティング広告』について、仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく紹介します。

「自社に合う広告手法が見つからない」「効果的な広告戦略を立てたい」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。

ホテル広告の主な種類

ホテルの広告には、Web上で展開する「オンライン広告」と、紙媒体やリアル空間で訴求する「オフライン広告」があります。広告手法によって費用やターゲットが異なるため、自社の目的や客層に応じて使い分けることが重要です。

オンライン広告

オンライン広告は、インターネットを通じて幅広い層にアプローチできる手法です。特にGoogle広告やSNS広告は、宿泊検討者への直接訴求が可能で、中小規模のホテルでも導入しやすいという特徴があります


広告の種類

特徴・表示場所

費用感

メリット

デメリット

リスティング広告
Googleなどの検索結果上部に表示。宿泊キーワードでの即時訴求に強み1クリック50〜100円月額20万~30万円が相場顕在層に効率的にアプローチ可能費用対効果が高い人気キーワードは単価が高くなる傾向あり


Googleホテル広告
Googleマップや検索で空室・料金を表示。予約導線が直結
・個別クリック単価
・割合クリック単価
・拡張クリック単価
・コミッション(コンバージョン課金型)
・コミッション(宿泊課金型)
※費用はそれぞれのボリューム、頻度により異なる
高い予約転換率ユーザー動線がシンプル
OTA(オンライントラベルエージェント)との連携・設定がやや複雑
料金や空室状況をリアルタイムで同期させるため、初期設定に専門知識を要する場合あり

ディスプレイ広告
Webメディアやブログにバナー・動画形式で掲載クリック課金の場合は1クリックあたり50~100円
月額20~50万円が相場
潜在層にリーチし、ホテルの認知拡大に効果的予約への即効性はやや弱い


SNS広告
Instagram・X・Facebookなど属性や関心ごとにターゲティング可能月額30万~50万円が相場少額から始められるが、低予算では成果が出づらい若年層やファミリー層へ視覚的に訴求しやすいクリエイティブ品質により効果が大きく変動

OTA内広告
楽天トラベルやじゃらん等での上位表示・バナー広告掲載料・クリック課金・成果報酬型(数千円〜)サイトや条件によりさまざま予約意欲の高いユーザーに直接アプローチ可能枠が限られており競合も多い

オンライン広告は、限られた予算でも始めやすく、狙ったユーザー層に効率的にアプローチできます。特にGoogleホテル広告SNS広告は中小ホテルとの相性が良く、集客の即効性と柔軟な運用を求める場合におすすめです。

一方、効果的な運用には、ある程度の知識やデータ分析も必要となるため、内製が難しい場合は外部パートナーの活用も視野に入れましょう。

オフライン広告

オフライン広告は、リアルな接点で顧客とつながる手法です。特定エリアやシニア層など、Web広告だけでは届きにくい層にも効果が期待できます。


広告の種類

特徴・表示場所

費用感

メリット

デメリット


新聞・チラシ
地元新聞の紙面や、折り込み配布で周辺住民に訴求折込1万部で1万〜9万円前後新聞紙面はサイズ等により数万円~数千万円と幅が広い地域密着型ホテルや限定プランに適している
シニアに対して訴求効果あり
チラシに関しては保存性に富む
効果測定が難しく、紙面に制限がある


テレビCM
地域テレビ局でのCM放映(15秒/本)ローカル局で4万〜15万円/本CMコンテンツ制作料は別途発生認知度やブランド価値を高める手段として有効
費用が高く、予約転換に直結しづらい


屋外広告
駅・観光地周辺の看板や電車・バスの広告など月数万円〜数十万円地域や媒体によって大きく異なる(デジタルサイネージや大型ビジョンは月に1千万円を超える場合あり)観光客の目に入りやすく視認性が高い
継続的に更新・調整がしにくい


客室内広告

客室内パンフや案内で館内施設・再訪を訴求印刷費のみ(数千円〜)滞在中の顧客に確実に届く
単価アップに有効
新規顧客の獲得には直結しにくい

オフライン広告は、地元在住者や来訪中の観光客、シニア層への訴求に強みがあります。特に新聞・屋外広告・館内訴求などは、地場ホテルとの親和性が高く、Web施策と組み合わせることで相乗効果も期待できます。

ただし、効果を可視化しにくい点や、コストが高くなりやすい点には注意が必要です。

Googleホテル広告とリスティング広告の違い

どちらもGoogle上で展開される広告ですが、表示される場所や内容、予約までの導線に大きな違いがあります。ここでは、両者の違いを比較し、どちらが自社に適しているか見極めるヒントを紹介します。

  • 表示場所と情報量
  • メリットとデメリット

順に見ていきましょう。

表示場所と情報量

Googleホテル広告とリスティング広告は、同じ検索画面内でも表示場所や情報量が大きく異なります。

Googleホテル広告は、Googleが提供するホテル専用広告のことです。

以下のように、たとえば「東京+ホテル」で検索すると、検索結果画面でそれぞれに適したホテル情報を表示してくれます。

一方リスティング広告は、Googleで特定のキーワードで検索された際に、自社ホームページなど指定のサイトを検索結果の上位に表示させます。

比較項目Googleホテル広告リスティング広告
表示場所Google検索結果の「宿泊施設」枠や、Googleマップ上Google検索結果の最上部(テキスト広告欄)
情報の見え方写真・料金・空室状況・レビュー・地図などが一覧で表示広告ラベル付きのテキストリンク形式
予約導線宿泊予約サイトへのリンクが直接表示される広告文のリンクからWebサイトに遷移
ユーザー体験視覚的に分かりやすく、比較しやすい情報が簡潔なため、クリック後に詳細確認が必要

Googleホテル広告は、ユーザーがホテルを検索した際に視覚的な比較ができ、予約導線が直結しているため、予約率が高い傾向があります。

一方、リスティング広告は、シンプルながらも幅広いキーワードに対応できる柔軟性が魅力です。

メリットとデメリット

両広告には、それぞれ特徴的なメリット・デメリットがあります。自社の目的やリソースに合わせて選ぶことが重要です。

Googleホテル広告リスティング広告

メリット
予約に直結しやすい/スマホとの相性◎/世界中に訴求可能低予算からスタート可/幅広い検索キーワードに対応/短期間で効果が見込める

デメリット
効果を出すにはある程度の予算が必要クリック課金型で無駄クリックも/情報が簡易的で予約につながりにくいことも

メリット

どちらの広告にも、ホテル運営において活用しやすいメリットがあります。

  • Googleホテル広告のメリット
    • 検索結果に宿泊予約サイトのリンクが直接表示されるため、ユーザーが迷わず予約までたどり着ける
    • 写真や料金などの視覚情報が豊富で、特にスマートフォンからの検索と非常に相性が良い
    • Googleのグローバルネットワークを通じて、国内外の旅行者にアプローチ可能。海外客の取り込みにも有効
  • リスティング広告のメリット
    • 少額の予算からスタートできるため、中小規模ホテルでも始めやすい
    • 「温泉付きホテル」「駅チカの宿」など幅広いキーワードに対応でき、ユーザーの検索意図に合わせて広告文を出し分けられる
    • 即時出稿や調整ができるため、期間限定プランやキャンペーンにも柔軟に対応できる

Googleホテル広告は、予約率の高さとユーザー体験の良さが魅力です。一方でリスティング広告は、費用を抑えつつ柔軟に運用したい場合に適しています。

デメリット

一方で、運用にあたっては注意すべき点もあります。

  • Googleホテル広告のデメリット
    • 基本的には有料枠が優先表示されるため、無料掲載では目立ちにくい
    • 効果的な出稿には、GoogleアカウントやOTA・PMSとの連携、管理画面の操作など、ある程度の知識が必要
    • 費用は成果報酬型が多いものの、競合が多いエリアでは出稿単価が高くなる可能性がある
  • リスティング広告のデメリット
    • クリックされただけで費用が発生するため、予約につながらないクリックも広告費として消費される
    • テキスト広告という特性上、ホテルの魅力や空室状況などの詳細を広告内で伝えるのが難しいという制約がある
    • 広告文の工夫次第で効果が変わるため、運用ノウハウが求められる

Googleホテル広告は、効果を最大化するために一定のコストと管理スキルが必要です。一方、リスティング広告は、費用が発生する仕組みや広告内容の制約を理解したうえで活用することが大切です。

失敗しないホテル広告の選び方

効果的な広告を出すためには、単に媒体を選ぶだけでなく、自社の状況や目的に合っているかの判断が大切です。ここでは、広告選定時に押さえておきたい3つの観点を紹介します。

  1. 【ターゲット層】誰に魅力を伝えたいか?
  2. 【費用対効果】かけられる予算はどれくらいか?
  3. 【運用方法】誰がどのように運用するか?

順に見ていきましょう。

【ターゲット層】誰に魅力を伝えたいか?

広告を出すうえで、まず重要なのは「誰に泊まってほしいのか」を明確にすることです。自社がアプローチしたい顧客層に応じて、適切な広告媒体を選べば、無駄のない広告運用が可能になります。

たとえば、若年層やカップルなどビジュアルに敏感な層にはInstagramなどのSNS広告が効果的です。出張利用の多いビジネスパーソンにはリスティング広告で検索時に訴求する方法が合っています。

一方で、地域密着型のホテルであれば、近隣エリアに向けた折り込みチラシや新聞広告も有効です。

ターゲットの年齢、行動パターン、予約導線を意識して、最適な広告手法を選びましょう。

【費用対効果】かけられる予算はどれくらいか?

ホテル業界における広告宣伝費は、一般的に売上の2~5%と言われています。

広告は一度出せば終わりではなく、継続的に出稿し、改善を重ねることで効果が現れます。そのため、無理なく継続できる予算をあらかじめ見積もっておくことが重要です。

Web広告は、数千円〜でも始められる媒体が多く、効果を見ながら出稿量を調整できる柔軟性があります。特にGoogle広告やSNS広告は、クリックごとの課金形式を選べば、低リスクで運用を試すことが可能です。

反対に、テレビCMや新聞広告のようなオフライン広告は、出稿にまとまった費用がかかるケースが多く、費用対効果の把握も難しくなります。

広告に使える予算の範囲内で、効果が期待できる手法を継続的に運用することが大切です。

【運用方法】誰がどのように運用するか?

特にWeb広告は、出稿して終わりではなく、成果を分析し、改善を重ねていく運用力が問われます。どのキーワードで反応があったのか、どんな広告文が効果的かなど、検証と改善をくり返すことが成果につながるカギです。

しかし、社内に広告運用の専門知識があるスタッフがいない、あるいは忙しくて運用に時間を割けないというケースも多いでしょう。そのような場合には、Web広告に強い外部の広告代理店や、運用代行会社に任せるという選択肢もあります。

初期設定や改善の方向性をプロに任せることで、より効果的で効率的な広告運用が期待できます。社内の体制やスキルに応じて、運用方法を見極めましょう。

広告効果を最大化する運用のポイント

広告は、出稿するだけでは成果につながりません。効果を最大化するには、日々の運用や改善の積み重ねが重要です。継続的に成果を上げるための運用ポイントは下記の3つです。

  1. 定期的に分析と見直しを行う
  2. 他の集客施策と組み合わせる
  3. 常に正確で最新の情報を掲載する

順に説明します。

定期的に分析と見直しを行う

広告経由の予約数やクリック率、費用対効果などの定期的な分析は、広告運用の基本です。数値の確認により、どの広告が成果を出しているかが可視化され、広告文やキーワード、出稿媒体の改善点が見えてきます。

この「効果測定」を怠ると、成果が出ない広告に予算を使い続けることになりかねません。

予算配分やクリエイティブ内容は、定期的なデータに基づく柔軟な見直しが、広告効果を持続・向上させるカギとなります。

他の集客施策と組み合わせる

広告はあくまで「きっかけ」に過ぎません。実際の予約や来訪につなげるには、広告から遷移した先の受け皿の整備も重要です。

具体的には、自社サイトの見やすさ・使いやすさ、写真の質、予約導線の明確さなどが成果に直結します。

また、口コミやレビューの評価も信頼性を左右する要素です。SNSやOTAでの口コミ獲得施策や、リピーター向けの特典提供などとあわせて取り組むことで、広告の効果をさらに高めることができるでしょう。

常に正確で最新の情報を掲載する

広告に掲載する情報が古かったり誤っていたりすると、ユーザーの不信感を招くだけでなく、予約のキャンセルやクレームの原因にもなります。

特に料金やプラン内容、空室情報は日々変動するため、こまめな更新が欠かせません。

Googleホテル広告やOTA広告の場合、自動連携による更新も可能ですが、更新頻度や反映状況を定期的に確認する運用体制を整えておくと安心です。

正確な情報を提供することは、広告の信頼性やコンバージョン率の向上につながります。

ホテルの広告戦略に悩んだら専門家に相談しよう

広告運用には、媒体選定から出稿設計、効果測定まで幅広いノウハウが求められます。社内リソースや知識に不安がある場合は、ホテル業界に特化したプロに相談するのが近道です。

リロホテルソリューションズは、全国で120施設以上のホテル・旅館を運営・支援してきた実績を持つ、宿泊施設経営の総合サポート企業です。

Web広告の運用はもちろん、OTA対策、ブランディング、収益最大化戦略など、宿泊業に必要なあらゆる領域に対応可能。施設の個性や課題に合わせたオーダーメイドの支援を得意としており、実際の現場改善まで一貫して支援します。

「広告を出しても成果が出ない」「戦略が正しいのか分からない」とお悩みの際は、プロの力を借りて、最短ルートで集客力を高める方法を検討してみてはいかがでしょうか。

▶ リロホテルソリューションズ公式サイト:https://relohotel-solutions.com

まとめ

ホテル広告には、オンライン・オフライン問わずさまざまな手法があり、それぞれに特徴や適性があります。大切なのは、自社のターゲットや予算、運用体制に合わせて最適な手段を選び、効果測定をしながら改善を重ねていくことです。

とはいえ、広告戦略に不安を感じる場合は、ホテル業界に特化した専門家の力を借りるのが近道です。

リロホテルソリューションズは、宿泊施設の実情を深く理解したうえで、広告運用からブランディングまで一貫した支援を行います。集客にお悩みの際は、プロと一緒に広告戦略の見直しを検討してみましょう。

株式会社リロホテルソリューションズ
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【監修者情報】
株式会社リロホテルソリューションズ
「90日で黒字化」を目標に、全国リゾート地・過疎地の宿泊施設を運営してきたプロ集団です。
あらゆる課題を抱える宿泊施設様のご支援を行い、売上の確保だけでなく、収益確保や運営効率まで一貫したご支援を行います。