コラム

2026.02.13

ホテル用スマートキーで業務効率化!種類や選び方、導入費用を解説

ホテル用スマートキーで業務効率化!種類や選び方、導入費用を解説

人手不足や業務効率化に悩んでいるホテル・旅館経営者は少なくありません。中でも「鍵の受け渡し」は、チェックイン対応やフロント業務を圧迫する大きな負担になりがちです。そこで注目されているのが、ホテル用のスマートキー(スマートロック)です。スマートキーは単なる防犯設備ではなく、フロント業務の無人化・省人化を実現し、顧客体験(CX)の向上にもつながる経営ツールとして活用できます。

この記事では、ホテルにスマートキーを導入するメリットや注意点・種類ごとの特徴・失敗しない選び方まで解説します。さらに、PMSとの連携を含めた効率的な運用方法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

ホテル・旅館のスマートキー(スマートロック)とは?

ホテル・旅館のスマートキー(スマートロック)とは、物理的な鍵を使わず、デジタル情報で客室の解錠・施錠を行う仕組みです。鍵の受け渡しや管理をシステム化できるため、フロント業務の効率化や省人化を進めたい宿泊施設を中心に導入が広がっています。

単なる防犯設備ではなく、運営改善を支えるITツールとして注目されています。

基本的な仕組み

スマートキーは、スマートフォンアプリや暗証番号・QRコード・ICカードなどを使って解錠する仕組みです。最大の特長は、クラウド上の管理システムと連動している点にあります。管理画面から宿泊期間に応じた鍵の権限を発行・削除できるため、チェックアウト後に自動で無効化する運用も可能です。

従来の物理鍵やカードキー・キーボックスとの違いは「人の手を介さずに管理できるかどうか」にあります。以下に主な違いを整理します。

比較項目物理鍵(シリンダーキー)カードキーキーボックススマートキー
解錠方法シリンダーキーICカード暗証番号アプリ・QR・暗証番号など
鍵の管理方法手作業一部手作業手動管理クラウド管理
フロント対応必要必要原則不要不要・最小限
紛失・持ち帰りのリスク高い高い低いほぼなし

ホテルのセルフチェックインに関する詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。

【関連記事】セルフ チェックイン(進行中記事)

利用イメージ

スマートキーを導入した場合の利用イメージは、非常にシンプルです。宿泊予約が確定すると、チェックイン前にゲストへ鍵情報(URLや暗証番号など)が自動送信されます。

ゲストはフロントに立ち寄ることなく、そのまま客室へ直行し、スマートフォンや暗証番号で解錠可能です。チェックアウト時も鍵の返却は不要で、時間を気にせず退室できます。

一方、従来の運用では、フロントで鍵を手渡し、チェックアウト時に返却と確認が必要でした。この差は、繁忙時間帯の混雑やスタッフ対応時間に直結します。スマートキーは、こうした「当たり前だった手間」を省き、宿泊体験と業務効率の両方を改善する仕組みといえるでしょう。

ホテルにスマートキーを導入する4つのメリット

スマートキーの導入は、単に鍵をデジタル化するだけではありません。ここでは、スマートキーを導入する4つのメリットを紹介します。

  1. フロント業務の効率化
  2. 鍵の紛失・持ち帰りリスクの解消
  3. 顧客体験(CX)の向上
  4. 施設のセキュリティ強化

順に見ていきましょう。

フロント業務の効率化

スマートキーを導入すると、チェックイン時の鍵の受け渡し業務が不要になり、フロントスタッフの対応工数を大幅に削減できます。混雑しやすい時間帯でも、説明や鍵管理に追われることがなくなり、本来注力すべき接客や問い合わせ対応に時間を使えるようになります。

また、事前に鍵情報を送信する運用を取り入れれば、夜間や早朝のチェックイン対応を無人化することも可能です。これにより、24時間フロント常駐が必須だった体制を見直せるため、人件費の削減や少人数での安定運営につながります。

人手不足が続くなか、業務効率とコストの両面で効果を発揮する点は、大きな魅力です。

ホテルDXに関する関連記事は、下記をご覧ください。

【関連記事】ホテルDXとは?導入のメリット・成功事例・注意点を徹底解説

鍵の紛失・持ち帰りリスクの解消

物理鍵を使用している場合、宿泊客による紛失や持ち帰りは避けられないトラブルの1つです。スマートキーであれば、デジタル上で鍵を管理できるため、こうしたリスクから解放されます。仮にトラブルが発生しても、管理画面から即座に鍵を無効化できるため、安全性を保ったまま対応できます。

また、紛失時に発生していたシリンダー交換費用や、スタッフが対応に追われる時間的コストも削減可能です。小さなトラブルの積み重ねが運営負担になっていた施設ほど、スマートキー導入による効果を実感しやすいでしょう。

顧客体験(CX)の向上

スマートキーは、宿泊客にとっての利便性を高める点でも有効です。チェックイン時にフロントへ並ぶ必要がなくなり、混雑を回避できるため、到着直後のストレスを軽減できます。特に観光シーズンや団体利用が多い施設では、大きなメリットといえるでしょう。

さらに、物理鍵やカードキーを持ち歩かなくてよい点も、宿泊客に安心感を与えます。スマートフォン1つで入室できる仕組みは、外出時の紛失リスクを減らし、快適な滞在体験につながるでしょう。

こうした体験の積み重ねが、施設の評価向上やリピート利用にも影響します。

施設のセキュリティ強化

スマートキーでは、「誰が・いつ」客室に入室したかなどの履歴がクラウド上に記録されます。これにより、不正滞在や無断利用の抑止につながり、トラブル発生時も状況を把握しやすくなります。従来の鍵では難しかった可視化が可能になる点は、管理面で大きな強みです。

また、清掃スタッフやメンテナンス担当者の入室権限を時間帯ごとに設定可能です。不要な立ち入りを防ぎながら、業務に必要なアクセスだけを許可できるため、施設全体のセキュリティレベルを高めつつ、運用の柔軟性も確保できます。

スマートキー導入時の注意点

スマートキーは、多くのメリットがある一方、導入前に把握しておくべき注意点も存在します。想定外のトラブルを防ぐためには、宿泊客の利用環境や施設設備を踏まえた事前検討が欠かせません。

スマートキーを導入する際の注意点は、下記の3点です。

  1. 宿泊客のITリテラシーへの配慮
  2. 通信トラブルや電池切れのリスク
  3. 既存ドアとの適合性(引き戸・古いドア)

順に解説します。

宿泊客のITリテラシーへの配慮

スマートキー導入時に考慮したいのが、宿泊客のITリテラシーの差です。高齢者やスマートフォン操作に不慣れなゲストの場合、アプリ操作やQRコード解錠に戸惑うケースもあります。操作に迷いが生じると、かえって不満や問い合わせが増える恐れがあるでしょう。

対策として有効なのが、スマホ不要で利用できる暗証番号(テンキー)式の併用です。また、チェックイン前に操作手順を事前案内したり、館内に分かりやすい案内表示を設置したりする工夫も欠かせません。

誰でも迷わず使える設計が重要です。

通信トラブルや電池切れのリスク

スマートキーは、通信環境や電源に依存するため、Wi-Fi障害や電池切れによって解錠できなくなるリスクがあります。特に通信トラブルは、チェックインが集中する時間帯に発生すると大きな混乱につながりかねません。

こうした事態に備え、物理鍵によるバックアップ体制を整えておくことが重要です。あわせて、電池残量を事前に通知できる機能を備えた機種を選定すれば、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

非常時の対応フローまで含めた検討が、安心につながるでしょう。

既存ドアとの適合性(引き戸・古いドア)

旅館や古い建物では、引き戸や独自規格のドアが使われていることも多く、すべてのスマートキーが設置できるとは限りません。後付けタイプの場合、構造上取り付けが難しいケースもあります。

そのため、事前にドア形状や錠前の仕様の確認が欠かせません。必要に応じて、工事型のスマートキーや引き戸対応モデルを選定することで、設置トラブルを防げます。

現地調査を前提にした機種選びが、失敗しない導入への近道です。

スマートキーの種類と選び方のコツ

スマートキーは、種類や機能によって使い勝手が大きく異なります。重要なのは「どれが最新か」ではなく、自社の運営体制や宿泊客層に合っているかどうかです。

スマートキーの種類と選び方のコツは、下記の3点です。

  1. 解錠方法で選ぶ
  2. 取り付け方法で選ぶ
  3. 機能で選ぶ

順に解説します。

【解錠方法で選ぶ】暗証番号・QR・アプリ・ICカード

スマートキーは、解錠方法によって利便性やトラブル発生率が異なります。暗証番号(テンキー)式は、ゲストがスマートフォンを持っていなくても利用できるため、もっとも汎用性が高く、操作ミスや問い合わせが少ない方式です。高齢者や海外ゲストにも対応しやすく、カードの紛失・破損に伴う実費請求や再発行の手間が発生しないため、運営側の精神的・金銭的負担を最小限に抑えられる点も特長です。

一方、QRコードやスマートフォンアプリによる解錠は、非接触でスムーズな入室が可能ですが、端末の充電切れやOS環境に左右される点には注意が必要です。

ICカード式は、物理的な受け渡しが残るものの、操作が直感的で高齢者にも馴染みやすい方式といえます。客層に応じて複数方式を併用する判断も有効です。

【取り付け方法で選ぶ】貼り付け型 vs 交換・工事型

スマートキーは、既存のドアに貼り付ける後付け型と、錠前そのものを交換する工事型に大別されます。

貼り付け型は、工事不要で導入コストを抑えやすく、短期間で設置できる点が特長です。小規模施設やテスト導入には適していますが、長期利用では落下やズレ、耐久性に不安が残る場合もあります。

一方、交換・工事型は初期費用こそ高くなりますが、耐久性や安定性に優れており、日々の運用負荷も軽減できます。客室数が多いホテルや、安定稼働を重視する施設では、工事型を選択するケースが多く見られます。

運営規模と、将来の利用年数を踏まえた判断が重要です。

【機能で選ぶ】PMS(ホテル管理システム)との連携

スマートキー選定で見落とせないのが、PMS(ホテル管理システム)との連携可否です。単体で動作するロックでは、鍵番号の発行や通知を手動で行う必要があり、業務効率化の効果が限定的になります。

PMSと連動していれば、予約情報をもとに鍵情報を自動発行し、ゲストへ通知する運用が可能です。チェックアウト後は自動で無効化されるため、管理ミスの防止にもつながります。

さらに、自動チェックイン機と連携できるシステムを選べば、フロント業務の無人化・省人化を一段階進められます。スマートキーを「経営ツール」として活かすには、システム連携を前提にした検討が重要です。

ホテルのPMSや、セルフチェックインに関する詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。

【関連記事】【初心者向け】ホテルのPMSとは?役割と導入メリット、選び方について解説

【関連記事】セルフ チェックイン(進行中記事)

主要なスマートキーメーカーと費用の目安

スマートキーは、メーカーや製品によって特徴や費用感が異なります。重要なのは知名度や価格だけで選ばず、自社の運営規模や導入目的に合った製品を見極めることです。

ホテル・民泊におすすめの代表的な製品

スマートキーは、「どんな施設に向いているか」という視点で比較すると選びやすくなります。

ここでは、ホテル・民泊におすすめの製品を紹介します。

  • RemoteLOCK
  • KEYVOX
  • LINKEY
  • Akerun

順に見ていきましょう。

RemoteLOCK(リモートロック)は、PMSや予約システムとの連携に強く、チェックイン業務の自動化を進めたい中規模以上のホテルに向いています。暗証番号やQR解錠に対応し、無人運営を視野に入れた施設と相性が良い製品です。

KEYVOX(キーボックス)は、工事不要で導入できる点が特長で、小規模施設や民泊、まずは省人化を試したいケースに適しています。

LINKEY(リンキー)は、引き戸対応など柔軟性があり、旅館や既存設備を活かしたい施設で選ばれることが多い製品です。

Akerun(アケルン)は、オフィス向けで培った入退室管理のノウハウを活かし、セキュリティ重視の施設やスタッフ入室管理を強化したいホテルに向いています。

導入にかかる費用の内訳

スマートキー導入時の費用は、初期費用と月額費用に分けて考える必要があります。初期費用には、機器本体の代金と設置工事費が含まれ、ドアの仕様や工事型か後付け型かによって差が出ます。加えて、クラウド管理システムの月額利用料が発生するのが一般的です。

一方で、見落とされがちなのが、人件費削減などの「コスト改善」です。フロント対応時間の短縮や夜間無人化により、運営コスト全体が下がるケースも少なくありません。

費用区分内容
初期費用機器代金・設置工事費
月額費用クラウドシステム利用料
間接効果人件費・対応時間の削減

安さだけで選ぶと、サポート不足やPMS連携の制限で後悔する可能性があります。導入後の運用まで見据えた比較が重要です。

スマートキーの導入はリロホテルソリューションズに相談を

スマートキーの導入効果を最大化するには、製品選定だけでなく、既存オペレーションやシステムとの整合性まで含めて検討することが重要です。

リロホテルソリューションズは、スマートキー単体の導入支援にとどまらず、PMSや自動チェックイン機との連携を含めたホテル運営全体の最適化をサポートしています。

施設規模や客層・運営体制に応じて最適な仕組みを設計できるため、「何から始めればよいかわからない」という段階でも相談しやすい点が特長です。業務効率化や省人化を目的としたDX推進を、部分最適で終わらせず、将来を見据えた形で進めたいホテル・旅館にとって、心強いパートナーです。

まとめ

ホテル・旅館のスマートキーは、鍵管理をデジタル化することでフロント業務の効率化や省人化を実現し、顧客体験(CX)や施設のセキュリティ向上にもつながる仕組みです。ただし、解錠方法や設置方式・PMSとの連携を誤ると、期待した効果を十分に得られないケースもあります。

そのため、自社の運営体制や客層を踏まえたうえで、スマートキーを起点にチェックイン業務やシステム全体を見直す視点が重要です。スマートキーを単体で導入するのではなく、PMSや自動チェックイン機との連携まで含めて検討することで、継続的な業務改善につながります。
導入を検討する際は、ホテル運営全体を見据えた提案ができるパートナーに相談することで、無理のないDX推進が実現しやすくなるでしょう。

株式会社リロホテルソリューションズ
株式会社リロホテルソリューションズ

【監修者情報】
株式会社リロホテルソリューションズ
「90日で黒字化」を目標に、全国リゾート地・過疎地の宿泊施設を運営してきたプロ集団です。
あらゆる課題を抱える宿泊施設様のご支援を行い、売上の確保だけでなく、収益確保や運営効率まで一貫したご支援を行います。

CONTACT

【サービス資料】90日で黒字化ホテル・旅館を再生

資料をダウンロードする Download

【無料宿診断】リロの“プロ”と課題対策を始める

宿診断お申し込み Free