(スタッフブログ)写真をちょっと明るくしてもらった日の話

こんにちは。集客担当のSです。ホテルや旅館の集客まわりを担当しています。OTAの管理やプランの作成といった業務の中で、意外と重要なのが”写真”です。
「きれいに撮れているのに、なぜ予約が入らないんだろう…」
以前、とある施設で「自然な感じで撮ってください」とお願いして撮影した写真が、予約率の改善に全く繋がらなかった時、私は暗い客室を前に途方に暮れていました。その時は正直、「なぜだろう?」と首をひねるばかりでした。
実は、宿泊業界では「写真なんて二の次」と考える経営者が驚くほど多いんです。でも、お客様がその宿を初めて知る瞬間って、写真なんですよね。
今日は、その後に学んだ写真にまつわる大切な気づきをお話しさせていただきます。
撮影当日の心温まる光景
先日、とある施設で客室写真の差し替えを行いました。撮影は、普段からお付き合いのある外部のカメラマンさんにお願いしました。
撮影当日、清掃スタッフの方が「写真に写るなら」と、いつも以上に丁寧にお部屋を整えてくださった姿を見て、胸が熱くなりました。「お客様に少しでも良く見てもらいたい」という想いは、現場の皆さんも同じなんだと実感した瞬間でした。
私たちのチームでは、何社か仲良くしているカメラマンさんがいて、宿の形態やクライアント様のご希望に応じて「この人が合いそうだな」という方をアサインしています。
たとえば、「自然光だけでそのままを写してほしい」という施設には、極力加工をせず、現場の空気感を丁寧に撮ってくれる方を。逆に、「少しでも明るく、華やかに見せたい」という施設には、WEB向けの明るさや色味の調整が得意な方をお願いしています。
撮影のスタイルも”宿に合わせる”ことが大事なんですよね。
WEBマーケティング視点に寄り添う撮影
今回撮影をお願いした方は、明るさやバランスをうまく調整してくれるタイプのカメラマンさん。「過剰にはしないけど、印象はよく見せたい」という、まさにWEBマーケティング視点に寄り添ってくれる方です。
実際、撮ってもらった写真は、どれも自然な仕上がり。ただ、ほんの少し暗く写ってしまったカットについては、やや明るさを足してもらいました。実物とかけ離れないように気をつけながら、”目で見たときの印象”に近づけるためです。
写真が与える印象の大きさ
写真って、本当に大事です。予約するかどうかを決めるとき、文字情報よりも”最初に見る写真の印象”が影響している場面って、実はすごく多いんです。
スマホでスクロールして、2〜3秒で「いいかも」と思ってもらえるかどうか。その勝負は、写真の明るさや角度、色味にかかっていることもあります。
「ちょうどよさ」が大事
写真を差し替えた翌月、その客室の予約率が約20%上がりました。もちろん写真だけが要因ではないかもしれませんが、さらに嬉しかったのは、実際にお泊まりいただいたお客様から「写真で見た通りの素敵なお部屋でした」というお声をいただいたこと。この「ちょうどよさ」の重要性を、数字と体験の両面で実感した瞬間でした。
昔の私は「きれいに撮れていればいい」と思っていました。でも今は違います。
正直なところ、写真撮影って「後回しにされがち」な項目なんです。運営会社としても、設備改修や人件費と比べると「写真にそこまで予算を…」となることが多い。でも実際は、数万円の撮影費用が月数十万円の売上向上に直結することも珍しくありません。
そして何より、お客様がその宿を初めて知る瞬間は、写真との出会いなんです。
今では確信しています。写真は「売るための道具」ではなく、「お客様と現場をつなぐ、最初の約束」なのだと。
あの失敗があったからこそ、今の私がいる。写真一枚に込められた想いの重さを、忘れることはありません。
私たちは日々、「どうしたらもっと伝わるだろう」「実際に行きたくなる写真ってどんなだろう」と考えながら、撮影の準備やカメラマンさんとの調整をしています。少しの明るさの違いが、予約につながる。そう思うと、写真の1枚1枚に、もっと丁寧に向き合いたくなります。
おわりに
次回は、別の部署のメンバーが登場予定です。また違った立場から見た、宿のお仕事の話をお届けしますので、少しでも当社の雰囲気を知っていだけますと幸いです。
では、また。
