(スタッフブログ)ホテルあるある②~見えないところで、旅の安心をつくる。~

みなさん、こんにちは。ホテルマンのSです。前回の記事が多くの方に読んでいただき、第二回のコラムをお届けいたします。
もうすぐ紅葉シーズンが始まります。夏の繁忙期が落ち着いたと思えば、すぐに紅葉観光シーズン。私たちホテルスタッフにとっては、嬉しい悲鳴の季節です。
チェックインで感じる、旅の安全への責任
先日、チェックインを担当していた際、小学生くらいの男の子から「この辺で熊はいますか?」と質問を受け、一瞬ドキッとしました。実はその直前、周辺地域で熊の目撃情報が上がっていたからです。
私はとっさに「どうかな、危ないから山の方には近づかないでね」と笑顔で返しましたが、その何気ない会話の裏で、改めて“お客様の安全を守る責任”を強く感じました。
自然豊かな環境とリスク管理の重要性
多くのホテル・旅館は自然豊かな環境にあり、あらゆる野生動物と隣り合わせで暮らしています。観光で訪れるお客様にとってその環境は非日常空間であり、とても新鮮な光景です。
しかし私たちは、日々のリスク管理を欠かすことはできません。
季節ごとの安全対策
特に紅葉のシーズンは、スタッフとお客様の安全を確保するために、季節や地域の状況に応じた対策を行っています。
屋外巡回時の取り組み
早朝や夜間の屋外巡回時には、従業員が必ず熊鈴や防犯ブザーを携帯し、万が一の事態に備えています。
生ゴミや残飯の管理
野生動物を引き寄せる原因となる生ゴミや残飯は、匂いが外に漏れないように密閉管理を徹底。鍵付きの専用倉庫で保管・処理するなど、周囲の環境に配慮した運用を行っています。
館外巡回と自治体連携
館外の巡回も強化し、日没後や早朝にはスタッフが敷地内外を確認して安全を確保。また、観光協会や自治体と連携し、野生動物の目撃情報を共有して迅速に対応できる体制を整えています。
お客様への安心のご案内
チェックイン時には「お散歩や観光は明るい時間帯にお願いいたします」とご案内。館内掲示や散策マップにも注意エリアを明記し、安心して過ごしていただける環境づくりをしています。
安全管理とおもてなしは表裏一体
こうした一つひとつの取り組みは、決して大げさなものではありません。この“小さな積み重ね”が、お客様に心から安心してお過ごしいただける環境づくりにつながります。
ホテルの仕事というと「おもてなし」や「接客」のイメージが強いかもしれません。しかし、こうした“安全を守る仕事”もおもてなしの一部。安心できる環境があってこそ、お客様は心から旅を楽しむことができます。
紅葉シーズンも安心をお届け
これからの季節、紅葉や温泉など自然の中で過ごす時間が増えていきます。私たちは常に“安全”と向き合いながらお客様をお迎えしています。
旅の安心を守る小さな力
お客様の「楽しい時間」の裏で、スタッフが行う一つひとつの確認や声かけ。それはほんの小さな行動かもしれませんが、旅の安心を守る大きな力になります。
これからも、私たちは“おもてなし”と“安全管理”の両輪で、お客様の心に残る安心と温もりをお届けしてまいります。
