リロホテルソリューションズ

コラム

2025.08.25

(スタッフブログ)宿泊業界の現状と課題について

(スタッフブログ)宿泊業界の現状と課題について

宿のお困りごとに寄り添うソリューションアドバイザーのIと申します。
今回は、全国各地の宿泊施設の方々とお話しするなかで、私が最近感じていることをまとめたいと思います。

宿泊施設運営の業務の多様性

宿泊施設の運営に必要な業務は、本当に多岐にわたります。私自身この業界に携わって7年になりますが、いまだに「そこまで支配人が行っているんですね!」と驚かされることが少なくありません。

大規模なリゾートホテルや老舗旅館では部署ごとに業務が分かれているケースも多いですが、それでも人手不足が深刻化する中では、支配人やマネージャーが現場まで直接見なければならない場面が多くあるように感じます。特に中小規模の施設では、支配人が実務まで幅広く担っている光景も珍しくありません。

具体的な業務内容

具体的にどのような業務があるのか、整理してみます。

  • 備品やアメニティ、リネン、食材・飲料の仕入れ・在庫・コスト管理
  • 建物・設備・温泉の維持管理、修繕、法令点検、法務・コンプライアンス対応
  • 予約管理(OTA・旅行会社・公式HPなど)、客室在庫調整、部屋割り、問い合わせ対応
  • フロント対応、チェックイン・チェックアウト、接客・クレーム対応
  • 客室清掃・準備、共用施設の清掃・管理
  • スタッフの採用・教育・育成、シフト作成・調整、人員配置
  • オーナー対応・報告、会議資料作成
  • 収支管理・予算策定・売上分析
  • 販売戦略・料金設定、キャンペーンやイベント企画および広報活動、マーケティング

さらに、仕入れ業者・旅行会社・清掃業者・工務店・ITベンダー・派遣会社・行政など、外部とのやり取りも欠かせません。契約見直しや条件交渉も定期的に発生します。

こうして並べてみると、支配人やマネージャーは「経営者」でありながら「現場リーダー」でもあり、さらに「総務担当」や「営業担当」としての役割まで担っているのだと改めて実感します。

業界共通の課題

宿泊業界全体に共通する大きな課題が、人手不足・人材不足です。その影響で、一人ひとりの業務範囲が広がり、最終的には支配人やマネージャーに負担が集中してしまう傾向があります。本来であれば戦略立案やマネジメントに集中するべき立場でありながら、日常的な実務に追われる――。こうした声を現場で伺うことも少なくありません。

課題解決への取り組み

こうした状況を打開するには、削れる作業は削り、外部に委託できる業務は委託し、若手やスタッフに振れる仕事は積極的に任せることが必要だと感じます。また、ツールやシステムを使いこなすことで、日々のルーティン業務を効率化することも可能です。

DXやAIの進展により、これまで「人がやるしかなかった作業」が少しずつ自動化される時代になってきています。皆様が普段ご使用のフロントシステムやサイトコントローラも、各社どんどんアップデートを重ねられています。実は使えていない便利機能が眠っている場合もありますので、ぜひ一度使えていない機能がないか探ってみてください。

導入時の現実的な課題

「でも、そうは言っても難しい。」そんなお声をしばしばいただきます。新しい仕組みを導入するには常に情報収集が必要であり、通常業務の合間に調べたり判断したりするのは簡単ではありません。

この「新しいものを取り入れたいが、時間も労力もコストも限られている」というジレンマは、多くの支配人・マネージャーに共通する課題だと思います。私も常日頃から、何とかしたいが何ともできない、歯がゆい思いをすることが多いです。

業界全体での取り組みの必要性

支配人やマネージャーの皆様が過度な負担に追われてしまう現状は、一つの施設だけでなく、業界全体にとっても大きな課題だと思います。だからこそ、業界全体で知恵を出し合い、仕組みを見直し、効率化を進めていくことが求められているのではないでしょうか。

全国の宿泊施設で日々奮闘されている皆様に心から敬意を表するとともに、宿泊業界が持続的に発展していくことを願っております。そんなきっかけのひとつになれたら、という思いで、全国の施設様とお話しさせていただいております。

ソリューションアドバイザーI
ソリューションアドバイザーI

はじめまして♪ 旅と美味しいごはんが大好きなIです。
温泉とスイーツにはついつい吸い寄せられてしまうタイプで、旅先で見つける小さな幸せ探しが得意です😊✨