ホテル予約管理の救世主?サイトコントローラーとは?主な機能や選び方を解説!

サイトコントローラーは複数の予約サイトの在庫や料金を一括管理できるため、導入すれば業務の効率化につながります。
今回はサイトコントローラーの機能やメリット、導入時のポイントなどを解説します。導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
サイトコントローラーとは?
サイトコントローラーについて、以下2点をもとに解説します。
- サイトコントローラーの基本的な仕組みと役割
- PMS(ホテル管理システム)との違い
サイトコントローラーの基本的な仕組みと役割
サイトコントローラーは複数のOTAや自社サイトからの予約を一元管理するシステムです。宿泊施設では多くのOTAに登録しますが、手動での在庫管理はオーバーブッキングや販売機会損失を招きやすくなります。
サイトコントローラーを導入すれば、各OTAの管理画面から在庫を調整する必要がありません。リアルタイムで残室数を調整できるため、業務の効率化につながります。またサイトコントローラーによっては在庫管理だけではなく、料金調整にも対応しています。
PMS(ホテル管理システム)との違い
サイトコントローラーは複数のOTAや自社HPなど「外部からの予約を一元管理」するシステムです。残室連携や料金調整を効率化し、オーバーブッキングを防ぎ販売機会を最大化します。
一方、PMS(ホテル管理システム)はチェックイン・アウト、客室アサイン、会計処理、顧客情報管理など「宿泊施設の内部業務」を管理するシステムです。
両者を連携すれば、サイトコントローラーで受け付けた予約情報が自動的にPMSに反映されます。手作業でのデータ入力が減ることで、業務効率化を期待できるのがポイントです。
サイトコントローラー導入の4つのメリット
サイトコントローラー導入のメリットは4つです。
- オーバーブッキング/ダブルブッキングを防止できる
- 管理業務の圧倒的な効率化・人的コスト削減できる
- 販路を拡大し、稼働率・売上を向上できる
- データに基づいた戦略的意思決定が可能になる
それぞれ詳しく解説します。
メリット1:オーバーブッキング/ダブルブッキングを防止できる
サイトコントローラーを導入するメリットのひとつは、オーバーブッキングやダブルブッキングの防止です。
手動で複数のOTAや自社HPの予約管理はリアルタイムでの在庫調整が困難なため、オーバーブッキングやダブルブッキングのリスクが常に伴います。予約が入るたびに手作業で各サイトの在庫を更新する必要があり、サイトごとの在庫にタイムラグが生じるうえ、人為的な入力ミスも懸念されるでしょう。
サイトコントローラーを導入すれば各OTA間の在庫情報をリアルタイムで管理できるため、販売機会の損失を防ぎつつ、オーバーブッキングのリスクも避けることができますます。
メリット2:管理業務の圧倒的な効率化・人的コスト削減できる
サイトコントローラーは宿泊施設の管理業務を大幅に効率化し、人件費削減につながります。
複数OTAや自社サイトの手動管理は人為的なミスが発生しやすく、担当者への負担も大きくなりがちです。この点、サイトコントローラーを導入すればOTAの予約情報や在庫状況を一元管理できます。
予約の受付から在庫調整、料金変更までが自動化されるため、担当者の業務負担が大幅に軽減されます。残業時間の削減や新規雇用の抑制など、人件費の改善にもつながるでしょう。
メリット3:販路を拡大し、稼働率・売上を向上できる
サイトコントローラーを導入し複数のOTAで販路を拡大すれば、稼働率や売上の向上につながります。
手動管理では手間とオーバーブッキングのリスクから、登録できるOTAの数に限界があります。しかしサイトコントローラーで管理の手間が省ければ、中小規模のOTAや特定のターゲット層に特化したOTAにも掲載可能です。
結果として幅広い販路からの予約獲得により、稼働率が向上。売上アップにつながる好循環を生み出します。
メリット4:データに基づいた戦略的意思決定が可能になる
サイトコントローラーは蓄積されたデータを通じて、根拠に基づいた販売戦略の立案にも貢献します。
従来は料金設定や販売チャネルの選択が経験や「勘」に頼る部分が多く、客観的な根拠に乏しい判断が下されがちでした。これに対しサイトコントローラーは、予約実績や料金変動による予約数の変化、特定期間の稼働率など予約データや販売実績を自動で蓄積します。
データを分析すれば「どのOTAが特定の顧客層に強い」「曜日や季節で最適な料金」といった具体的なインサイトを得られ、データに基づいた戦略を練られるようになります。
サイトコントローラー導入のデメリット・課題
サイトコントローラー導入のデメリットや課題は3つです。
- 導入・運用コストがかかる
- 使いこなすために学習や慣れが必要
- システムトラブルのリスク
それぞれ解説します。
導入・運用コストがかかる
サイトコントローラーの導入には初期費用や月額費用が必要です。。小規模施設なら月額数千円から、大規模施設では数万円以上かかる場合も少なくありません。
導入を検討する際は、得られる業務効率化や売上向上のメリットがこれらのコストに見合うかを十分に検討しましょう。費用対効果を考慮したうえでシステムを選ぶことが重要です。
使いこなすために学習や慣れが必要
サイトコントローラーを使いこなすには一定の時間と労力がかかります。初期設定や連携先のOTAごとの特性理解など、複雑な操作を伴う場合があるためです。操作に慣れるまでは、手作業の方が早く感じることもあるでしょう。
スムーズに使いこなすためにも、導入時はベンダーのサポート体制の充実さを確認し、必要に応じて活用することが重要です。
システムトラブルのリスク
サイトコントローラーはシステム障害による影響が大きい点にも注意が必要です。システム障害が起きるとOTAとの連携が停止し、予約情報が正確に反映されません。リアルタイムで在庫更新ができないため、オーバーブッキングや販売機会損失に直結します。
導入時は料金やシステム面だけではなく、ベンダーの信頼性や安定稼働の実績も考慮しましょう。
自社のホテルに最適なサイトコントローラーを見つけるポイント
サイトコントローラー導入時のポイントは4つです。
- 施設の規模やタイプに合っているか?
- 連携したいOTAやシステムに対応しているか?
- 必要な機能は備わっているか?
- サポート体制は充実しているか?
1つずつ解説します。
ポイント1:施設の規模やタイプに合っているか?
サイトコントローラーは自施設の規模や形態に合っているものを選びましょう。客室数が少ないゲストハウスなら、シンプルで低コストなもので十分です。プラン数や客室タイプが多い旅館などでは、より多機能で柔軟に設定できるシステムが必要になります。
また、部屋数や施設形態によって機能や料金体系が異なります。自施設のニーズに合致しているかを見極めましょう。
ポイント2:連携したいOTAやシステムに対応しているか?
利用したいOTAの有無や、周辺システムとスムーズに連携できるかも確認しましょう。
主要OTA(例:楽天トラベル、じゃらんnet、Booking.com、Expediaなど)との連携や、自施設のPMSやその他周辺システムとの連携実績も考慮します。またリアルエージェントと契約している場合は、連携の可否を確認しておくと安心です。
ポイント3:必要な機能は備わっているか?
サイトコントローラーを選ぶ際は、課題解決につながる付加機能が備わっているか調べておくと安心です。たとえば過去の予約傾向を分析できるデータ分析や、販促支援のマーケティング、ノーショー(無断キャンセル)対策機能などがあると便利です。
自施設が抱える課題と機能面を比較し、より導入効果を得られるシステムを選びましょう。
ポイント4:サポート体制は充実しているか?
導入後の円滑な運用のためにはベンダーのサポート体制が重要です。システム操作に不慣れなうちはもちろん、予期せぬトラブル発生時にも迅速なサポートが必要となるためです。
初期設定サポートや問い合わせへの対応速度、24時間365日対応の有無など、自施設の運営時間や緊急時の対応ニーズに合ったサポートがあるか確認しましょう。
【比較】主要サイトコントローラー3選
以下の主要サイトコントローラーについて、特徴などを解説します。
項目 | TL-リンカーン | 手間いらず | ねっぱん!サイトコントローラー++ |
特徴 | ・幅広いサービスを包括・プラン単位の操作性に優れ分析機能も充実・宿泊施設向けの幅広いサービスを提供 | ・豊富な連携実績と高い安定性 | ・シンプルな操作性と手軽さが魅力 |
おもな機能 | ・予約、在庫、料金の一元管理・PMS連携 | ・予約、在庫、料金の一元管理・PMS連携 | ・予約、在庫、料金の一元管理・PMS連携 |
連携可能OTA | ・主要OTA&主要PMS | ・主要OTA&主要PMS | ・主要OTA&主要PMS |
料金 | ・初期費用導入費:100,000円・月額費用利用料:1530,000円~ | ・初期導入費用38,000円〜・月額費用料金9,600円〜※簡易プランの場合 | ・初期費用設定55,000円・月額費用料金5室以下6,600円、6室以上10,780円※別途有料でオプション機能あり |
サポート | 電話、メール | 電話、メール | 電話、メール |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
TL-リンカーン
TL-リンカーンは株式会社シーナッツが運営するサイトコントローラーです。約6,100件もの導入実績がある老舗で、ほかにも以下のような特徴があります。
- 旅行会社とネット販売の一元管理
1つの画面で旅行会社とネット販売、それぞれの残室数・販売室数を表示
- 残室、料金の一括コントロール
更新スピードの速さを活かした残室や料金調整
- PMS連携強化
業界標準となったフォーマットに合わせ予約情報を出力
- 統計データ
10種類の統計データを簡単・スピーディーに表示
その他料金や対応OTAなどの詳細は、以下のとおりです。
項目 | 内容 |
連携可能OTA | ・国内OTAじゃらんnet、楽天トラベル、るるぶトラベル、一休.comなど・海外OTAAgoda、Expedia Group、Booking.com、HRSなど・旅行会社JTB,日本旅行,近畿日本ツーリストなど |
料金体系 | 導入費:100,000円/月額利用料:1530,000円~※ネット限定フルサービスプランの場合 |
サポート体制 | ・電話およびメール・オンラインFAQやセミナーあり |
おすすめの宿泊施設 | ・プランごとに売止や価格などの操作を容易にしたい・旅行会社のアロット増返室の管理も一目でわかるようにしたい・導入実績が豊富なシステムを選びたい・中規模〜大規模施設への導入を検討 |
手間いらず
手間いらずは、手間いらず株式会社が運営するサイトコントローラーです。豊富な連携実績と高い安定性を誇り、さまざまな宿泊施設で導入されています。
宿泊施設のニーズに合わせ、以下の3つから機能を選べるのが特徴です。
- 手間いらず自動
自動化によって最小の人手で最大の利益を実現できる新型予約サイトコントローラー
- 手間いらず.NET2
コストパフォーマンスに優れたサイトコントローラー
- 手間いらずmini
小規模・民泊施設向けの複数施設一括管理システム
その他料金や対応OTAなどの詳細は、以下のとおりです。
項目 | 内容 |
連携可能OTA | ・国内OTAじゃらんnet、楽天トラベル、るるぶトラベル、一休.comなど・海外OTAAgoda、Expedia Group、Booking.com、Airbnbなど |
料金体系 | ・初期導入費用38,000円〜・月額料金9,600円〜※いずれも手間いらずminiの場合 |
サポート体制 | ・電話およびメール対応 |
おすすめの宿泊施設 | ・ニーズに合わせ多彩なプランから選択したい・最低限の機能でリーズナブルに導入したい |
ねっぱん!サイトコントローラー++
ねっぱん!サイトコントローラー++は、株式会社クリップスが運営するサイトコントローラーです。9,000施設の稼働実績を誇り、大手ホテルチェーンでも導入されています。
おもな特徴は、以下の4つです。
- 業界トップシェアの製品
国内でもっとも多くの導入実績
- 基本料金だけで豊富な機能が使える
月額固定料金で従量課金なし
- 連携システムが豊富
セルフチェックインシステムやレベニューマネジメントシステムとの連携も可能
- スピード導入可能
申し込みから最短2週間で導入できる
その他料金や対応OTAなどの詳細は、以下のとおりです。
項目 | 内容 |
連携可能OTA | ・国内OTAじゃらんnet、楽天トラベル、るるぶトラベル、一休.comなど・海外OTAAgoda、Expedia Group、Booking.com、Hotels.comなど |
料金体系 | ・初期設定55,000円・月額料金5室以下6,600円、6室以上10,780円※別途有料でオプション機能あり |
サポート体制 | ・電話およびメール |
おすすめの宿泊施設 | ・連携システムが豊富なものを選びたい・月額料金を抑えて導入したい |
サイトコントローラー導入の一般的な流れ
サイトコントローラーを導入する際の流れは、以下のとおりです。
- ステップ1:ニーズと予算を洗い出す
- ステップ2:比較検討・契約・初期設定
- ステップ3:操作トレーニングと運用開始
それぞれ詳しく解説します。
ステップ1:ニーズと予算を洗い出す
初めに自施設の規模(客室数など)や、どのOTAと連携したいかを明確にしましょう。国内主要OTAや民泊サイトの利用予定も考慮し、必要な連携数や機能の要件を絞ります。
次にサイトコントローラーにかけられる予算感を設定します。運用にかかる手間や時間も考慮し、費用対効果を総合的に判断しましょう。この段階で具体的な要件を固めることで、後のシステム選定がスムーズに進みます。
ステップ2:比較検討・契約・初期設定
導入前に複数のサイトコントローラーのデモや無料トライアルを活用し、操作性や機能が自施設に合っているかを体験しましょう。
契約時には費用だけでなく、サポート体制(対応時間、内容など)や契約期間、解約条件などを細部まで確認します。疑問点は必ず解消し、後々のトラブルを防ぐのが重要です。
契約後は提供会社のサポートを受けつつ、宿泊プランや料金、在庫情報などをシステムに登録し、OTAとの連携設定を実施します。
ステップ3:操作トレーニングと運用開始
導入したサイトコントローラーを最大限に活用できるよう、全スタッフに対する操作トレーニングを徹底しましょう。
具体的にはサイトコントローラーを組み込んだ新しい業務フローを整備し、スタッフ全員が共通認識を持って業務に取り組めるようにします。
導入後の最初の数か月間はとくに重要です。不明点や問題が発生した際にはベンダーのサポート体制を積極的に活用し、疑問や課題を早期に解決しましょう。
サイトコントローラー導入・運用について専門家に相談する
サイトコントローラーの導入や運用時は、専門家に相談するのも効果的です。
経験豊富な専門家はサイトコントローラーの機能に詳しいだけでなく、宿泊施設の多様な課題に対して総合的なサポートを提供してくれます。
たとえば施設の規模やタイプ、具体的な課題(集客力不足、オーバーブッキングなど)に応じて最適なサイトコントローラーを選定し、初期設定からスムーズな運用開始まで、トータルで支援してくれるでしょう。
さらに導入後の効率的な運用方法、データに基づいた料金戦略の立案、既存のPMS(ホテル管理システム)や他のシステムとの連携最適化など、専門的なアドバイスも可能です。
リロホテルソリューションズでは、ホテル運営のプロフェッショナルが豊富な知識をもとに自施設に合ったサイトコントローラーやPMSをアドバイスします。
サイトコントローラーの導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
サイトコントローラーは、複数のOTAや自社サイト経由の予約を一元管理できるシステムです。手動での在庫や料金調整がなくなるため、オーバーブッキングのリスクの低減や、作業効率の向上につながります。
またサイトコントローラーを導入する際は、自施設の規模や特性に合致し、費用対効果に見合ったシステムを選ぶのが重要です。初めての導入で失敗したくない方は、専門家の知見を借りるのをおすすめします。豊富な知識と導入経験をもとに、自社に合った最適なサイトコントローラーを選定してくれます。
リロホテルソリューションズは、「90日で黒字化」をスローガンに40施設以上のリゾート地や過疎地宿泊施設の再生に取り組んできた、ホテル運営のプロ集団です。
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【監修者情報】
株式会社リロホテルソリューションズ
「90日で黒字化」を目標に、全国リゾート地・過疎地の宿泊施設を運営してきたプロ集団です。
あらゆる課題を抱える宿泊施設様のご支援を行い、売上の確保だけでなく、収益確保や運営効率まで一貫したご支援を行います。