コラム

2026.07.28

ホテルのアーリーチェックイン・レイトチェックアウト|料金相場と最新動向2026

ホテルのアーリーチェックイン・レイトチェックアウト|料金相場と最新動向2026

「早く着いたので入れませんか」「もう少しゆっくりしたい」——フロントでよく聞くこの声を、あなたの施設は収益に変えられていますか。

アーリーチェックインとレイトチェックアウトは、客室という時間で消えていく在庫の空き時間を、追加コストをほとんどかけずに収益化できる施策です。宿泊料金そのものを上げにくい状況でも、オプションとしての上乗せならADRの底上げにつながります。ただし、料金だけを決めて清掃シフトを考えずに受けすぎると、増収どころか次のチェックインに影響し、かえって低評価を招きます。

本記事では、業態別の料金相場、設定で気をつける5項目、OTAでの販売方法、そして清掃と噛み合わない失敗パターンまでを、収益シミュレーターとあわせて実務目線で解説します。


📌 この記事でわかること

アーリーCI・レイトCOの意味と、業態別の料金相場の目安
設定時に気をつける5項目と、清掃シフトと噛み合わない失敗パターン
導入による年間の追加収益を試算する方法とOTAでの販売のコツ
🎯 この記事はこんな方に向けて書いています
ADR(客室平均単価)を上げて収益を伸ばしたい経営者・支配人
アーリーCI・レイトCOの料金設定を体系的に整えたい方
導入したいが清掃・オペレーションとの両立に不安がある施設の担当者
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アーリーチェックイン・レイトチェックアウトとは

この章の結論

アーリーCIは規定より早い入室、レイトCOは規定より遅い退室。いずれも有料オプションが基本。
客室の「空き時間」を収益に変える施策で、ADR(客室平均単価)向上に直結する。
ただし清掃・オペレーションと噛み合わないと現場が崩れる。設定には設計が必要。

2つの用語の意味

アーリーチェックイン(早入り)とレイトチェックアウト(延長)は、いずれも通常の宿泊時間の前後にゲストの滞在時間を延ばす有料オプションです。まず、それぞれの定義を確認しましょう。

【図解】アーリーCI・レイトCOの位置づけ

アーリーチェックイン(早入り)
規定のチェックイン時刻(例:15時)より早く入室できるオプション。早朝到着の出張・旅行客に需要が高い。
レイトチェックアウト(延長)
規定のチェックアウト時刻(例:10時・11時)より遅く退室できるオプション。ゆっくり過ごしたい観光・記念日客に人気。

※どちらも「客室が空いている時間」を有料で提供する仕組みです。追加コストが小さく、収益への貢献度が高いのが特徴です。

この2つが注目される理由は、客室という「時間で消えていく在庫」の空き時間を、追加のコストをほとんどかけずに収益化できる点にあります。宿泊料金そのものを上げにくい状況でも、オプションとしての上乗せなら受け入れられやすく、ADRの底上げにつながります。ADRの基本的な考え方は「ADR(客室平均単価)とは」で解説しています。宿泊業の基本用語は「ホテル経営の重要用語集」でまとめて確認できます。


料金相場の目安(業態別)

料金の設定方式と業態別の目安

アーリーCI・レイトCOの料金設定には、大きく「①時間単位(1時間ごと)」「②定額(半日・数時間パック)」「③宿泊料金に対する割合」の3方式があります。業態や客層によって適した方式は異なります。以下は当社が支援する施設の実績をもとにした参考レンジです。

業態 料金の目安(参考値) 向いている設定方式
ビジネスホテル1時間あたり500〜1,000円程度/半日パック1,500〜3,000円程度時間単位が分かりやすく人気。出張客向けに柔軟に
シティホテル1時間あたり1,000〜2,000円程度/半日プラン3,000〜6,000円程度定額パック・宿泊料金比率。付加価値と合わせて
リゾートホテル滞在延長プランとして数千円〜/宿泊料金の10〜30%程度プラン化が有効。ゆとりある滞在価値として訴求
温泉旅館レイトCOプランとして2,000〜5,000円程度が中心定額プラン。温泉をゆっくり楽しむ需要に応える

※上記は当社が運営支援する施設の実績をもとにした参考レンジです。実際の適正価格は立地・グレード・客層・需要期によって変動します。繁忙期は高め、閑散期は柔軟に、といった需要連動の設定も有効です。全国の宿泊需要・稼働率の動向は、観光庁の宿泊旅行統計調査で確認でき、繁閑の目安づけにも活用できます。

料金設定の考え方:「原価」ではなく「機会費用」で考える
アーリーCI・レイトCOの料金は、清掃や光熱費といった原価だけで決めるものではありません。重要なのは「その時間、その部屋を他に売れたか(機会費用)」です。次の予約が入る可能性が低い時間帯なら、多少低めでも収益はプラスになります。逆に、次の宿泊予約に影響する場合は、それを上回る料金設定が必要です。


設定で気をつける5項目

この章の結論

料金だけでなく「清掃・在庫・告知・繁閑・上限時間」の5項目をセットで設計する。
最大の落とし穴は清掃シフトとの衝突。運用を伴わない料金設定は現場を崩す。
「受けられる範囲」を先に決め、その中で販売するのが安全な進め方。

設定前に押さえる5つのチェック項目

アーリーCI・レイトCOは、料金を決めれば終わりではありません。運用まで含めて設計しないと、収益より現場の混乱を招きます。次の5項目を必ずセットで確認しましょう。

項目 確認するポイント
①清掃レイトCOは次の清掃開始を遅らせる。清掃スタッフのシフトと客室回転が回るか、受入可能な客室数を先に決める。
②在庫調整アーリーCIは前日の退室状況に依存する。連泊や前日空室の部屋に限定するなど、提供可否の判断基準を明確にする。
③告知・案内料金・条件を予約時に明示する。当日の口頭対応だけだとトラブルの元。事前決済・事前予約制にすると混乱が減る。
④繁閑での出し分け満室が見込める繁忙期は在庫を絞るか高めに、閑散期は積極的に販売するなど、需要に応じて出し分ける。
⑤上限時間「何時まで」の上限を明確に。延長しすぎると次の宿泊予約や清掃に影響するため、現実的な範囲で線引きする。

この5項目の中で、最も多くの施設がつまずくのが①清掃との整合です。料金設定だけを先行させると、レイトCOを受けた部屋の清掃が間に合わず、次のゲストのチェックインに影響する——という事態が起こります。詳しくは後半の失敗パターンで解説します。清掃オペレーションそのものの整え方は「客室清掃の効率化・マニュアル」をご覧ください。なお、客室の使用時間や延長時の追加料金は、本来「宿泊約款」に明記すべき事項です。観光庁が公開しているモデル宿泊約款は、条件を明文化する際の参考になります。


収益への影響を試算する

「小さな上乗せ」が年間で大きな差になる

アーリーCI・レイトCOの魅力は、1件あたりは小さな金額でも、年間を通じて積み上がると無視できない収益になる点です。たとえば1日に数件の付帯があるだけでも、365日では大きな金額になります。次のシミュレーターで、自施設の条件を入力して試算してみましょう。

💰 アーリー/レイト収益シミュレーター
1日あたりの販売客室数・付帯率・1件あたりの追加料金を入力すると、年間の追加収益とADRへの上乗せ額の目安を試算します。
%
年間の追加収益(目安)
約 3,285,000 円
1日あたり約 6 件・約 9,000 円の付帯収益に相当します
📈 ADRへの上乗せ効果(目安)
1室あたり 約 225 円 / 泊
※販売客室数×付帯率×追加料金×365日による単純試算です。実際は需要期・提供可能室数により変動します。清掃・オペレーションが回る範囲での設定が前提です。

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OTAでの販売方法

「オプション」か「プラン」か

アーリーCI・レイトCOをOTAで販売する方法は、大きく2通りあります。予約時に追加できる「オプション」として提供する方法と、あらかじめ時間を含めた「専用プラン」として造成する方法です。それぞれ向き・不向きがあります。

オプション追加型
・予約時に有料で付帯
・柔軟に販売できる
・在庫や清掃の状況に応じて出し分けやすい
△ OTAによっては設定できない場合も
専用プラン造成型
・「12時アウトプラン」等として販売
・訴求力が高く単価も上げやすい
・提供可能室数を絞って在庫管理しやすい
△ プラン数が増え管理が煩雑になりやすい

実務では、需要が読みやすい定番の時間帯は「専用プラン」で、当日の状況に応じた柔軟な提供は「オプション」で、という使い分けが効果的です。いずれの場合も、料金・条件・提供可能な客室の範囲を明確にし、清掃オペレーションと連動させることが前提です。無理に全室で販売せず、「受けられる範囲」を在庫としてコントロールすることが、トラブルを防ぎながら収益を積み上げるコツです。

直販(自社サイト)での販売も忘れずに
アーリーCI・レイトCOは、OTAだけでなく自社サイトの直販予約でも販売できます。直販ならOTA手数料がかからないため、同じ追加料金でも手取りが大きくなります。公式サイトの予約エンジンでオプション設定ができる場合は、直販での付帯販売もあわせて設計すると、収益効率がさらに高まります。


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失敗パターン:清掃シフトと噛み合わない

この章の結論

最も多い失敗は、料金だけ設定し清掃・オペレーションの設計を後回しにすること。
レイトCOの受けすぎで清掃が回らず、次のチェックインに影響する事態が起きる。
「受けられる室数」を先に決め、その範囲で販売するのが崩れない進め方。

やってはいけない3つの失敗パターン

アーリーCI・レイトCOの導入でつまずく施設には、共通する失敗の型があります。特に多い3つを押さえておきましょう。

【図解】アーリー/レイト導入でよくある失敗パターン

失敗①:清掃シフトを考えずにレイトCOを受けすぎる
退室が遅れた分、清掃開始が後ろ倒しになり、次のゲストのチェックインに間に合わない。増収どころか、当日の別のクレームを生む。
失敗②:料金・条件を告知せず当日対応にする
当日フロントで口頭対応にすると、料金トラブルや「聞いていない」という不満の元になる。予約時の明示と事前決済で防げる。
失敗③:繁忙期に安く出して機会損失を出す
満室が見込める日にレイトCOを安く受けると、その部屋を次に高く売る機会を失う。繁閑での出し分けができていない。

これら3つに共通するのは、「料金設定」だけを先行させ、「運用(清掃・在庫・繁閑)」の設計を後回しにしている点です。アーリーCI・レイトCOは、料金表を作ることではなく、「受けられる範囲を決めて、その中で売る」オペレーション設計まで含めて初めて機能します。次の診断ツールで、自施設が導入に向く状態かを確認してみましょう。

⚠️ 「とりあえず受ける」が招く負のスパイラル
目先の数千円のために無理にレイトCOを受け続けると、清掃の遅れ→次のゲストのチェックイン遅延→低評価、という負の連鎖に陥ります。増収施策のはずが、口コミ評価を下げて予約を減らしては本末転倒です。「受けられる室数の上限」を先に決めることが、これを防ぐ最大のポイントです。

アーリー/レイト 導入判断診断ツール

自施設がアーリーCI・レイトCOの導入・拡大に向いているかを、6つの質問で診断します。回答すると次の質問へ自動でスクロールします。

🧭 アーリー/レイト 導入判断診断
6つの質問にはい/いいえで答えると、自施設への導入のしやすさと進め方を判定します。回答すると次の質問へ自動でスクロールします。
Q1.早朝到着や遅い出発を希望するゲストからの問い合わせがある
Q2.平日や閑散期など、満室にならない日が一定数ある
Q3.清掃の人員・シフトに、ある程度の調整余地がある
Q4.予約時にオプションや条件を明示できる仕組み(OTA・予約エンジン)がある
Q5.ADR(客室平均単価)を上げる余地があると感じている
Q6.すでにアーリー/レイトを提供しているが、料金や運用が場当たり的だ
回答済み:0 / 6 問 0%
全6問に答えると診断結果が表示されます

よくある質問(FAQ)

アーリーCI・レイトCOに関するよくある疑問

アーリーチェックインとレイトチェックアウトの違いは何ですか?
A. アーリーチェックイン(早入り)は規定より早く入室できるオプション、レイトチェックアウト(延長)は規定より遅く退室できるオプションです。どちらも客室の空き時間を有料で提供する仕組みで、追加コストが小さく収益への貢献度が高いため、ADR(客室平均単価)向上の施策として注目されています。
料金はいくらに設定すればよいですか?
A. 業態によって異なります。参考としてビジネスホテルなら1時間500〜1,000円程度、シティホテルなら1時間1,000〜2,000円程度、旅館やリゾートは数千円のプラン化が中心です。ただし重要なのは原価より「機会費用」——その時間その部屋を他に売れたか——です。次の予約に影響しない時間帯なら低め、影響するならそれを上回る料金が目安になります。
導入すると本当に収益は上がりますか?
A. 1件あたりは小さくても、年間で積み上がると無視できない金額になります。たとえば1日6件・1件1,500円の付帯があれば、年間で約328万円の追加収益になります。ADRにも上乗せされるため、宿泊料金を上げにくい状況での収益改善策として有効です。本記事のシミュレーターで自施設の条件を試算できます。
導入で最も気をつけることは何ですか?
A. 清掃シフトとの整合です。レイトCOで退室が遅れると清掃開始も遅れ、次のゲストのチェックインに間に合わなくなる恐れがあります。料金設定だけを先行させず、「受けられる客室数の上限」を清掃体制から逆算して先に決めることが、最も重要なポイントです。
全室で提供すべきですか?
A. 無理に全室で提供する必要はありません。むしろ「受けられる範囲」を在庫としてコントロールするほうが安全です。前日空室の部屋や連泊の部屋に限定する、清掃が回る室数だけ販売するなど、提供可能な範囲を明確にして販売することで、トラブルを防ぎながら収益を積み上げられます。
繁忙期も同じ料金でよいですか?
A. 需要に応じて出し分けることをおすすめします。満室が見込める繁忙期は、レイトCOを安く受けるとその部屋を次に高く売る機会を失います。繁忙期は在庫を絞るか料金を高めに、閑散期は積極的に販売する、といった需要連動の設定が収益を最大化します。
OTAではどう販売すればよいですか?
A. 予約時に追加できる「オプション」型と、時間を含めた「専用プラン」型の2通りがあります。需要が読みやすい定番の時間帯はプランで、当日の状況に応じた柔軟な提供はオプションで、という使い分けが効果的です。いずれも料金・条件・提供可能室数を明確にし、清掃オペレーションと連動させることが前提です。
当日フロントで対応する形でも問題ありませんか?
A. 当日の口頭対応だけにすると、料金トラブルや「聞いていない」という不満の元になります。予約時に料金・条件を明示し、できれば事前決済・事前予約制にすることをおすすめします。事前に条件が明確なほど、現場の混乱も減り、ゲストの納得感も高まります。
直販(自社サイト)でも販売できますか?
A. できます。自社サイトの予約エンジンでオプション設定が可能なら、直販でも付帯販売できます。直販ならOTA手数料がかからないため、同じ追加料金でも手取りが大きくなります。OTAと直販の両方で販売設計をしておくと、収益効率がさらに高まります。
導入でよくある失敗は何ですか?
A. 料金設定だけを先行させ、清掃・在庫・繁閑の運用設計を後回しにすることです。特に清掃シフトを考えずにレイトCOを受けすぎると、清掃遅れが次のチェックイン遅延を招き、低評価につながります。増収施策のはずが口コミ評価を下げては本末転倒です。受けられる室数の上限を先に決めることが失敗回避の鍵です。

まとめ:空き時間を収益に変える発想

アーリーチェックイン・レイトチェックアウトは、客室という「時間で消えていく在庫」の空き時間を、追加コストをほとんどかけずに収益化できる施策です。宿泊料金そのものを上げにくい状況でも、オプションとしての上乗せならADRの底上げにつながります。

ただし、成功の鍵は料金設定ではなく運用設計にあります。清掃・在庫・告知・繁閑・上限時間の5項目をセットで設計し、特に「受けられる客室数の上限」を清掃体制から逆算して先に決めること——これが、増収と現場の安定を両立させる出発点です。料金だけを先行させると、清掃が回らず次のチェックインに影響し、かえって低評価を招きます。

まずは自施設の条件で収益インパクトを試算し、導入判断診断で自施設が導入・拡大に向く状態かを確認してみましょう。無理のない範囲から始め、需要と運用を見ながら広げていくのが、失敗しない進め方です。本記事の2つのツールを、その第一歩にご活用ください。

リロホテルソリューションズの支援実績

ビジネスホテル(65室) 温泉旅館(32室)
ADRの底上げに成功

・早入り/延長を時間単位オプションで設定
・前日空室の部屋を中心に提供室数を管理
・直販でも付帯販売し手取りを最大化
滞在価値プランで単価向上

・レイトCOを「ゆっくり温泉プラン」に商品化
・清掃が回る室数に上限を設定し運用を安定化
・繁忙期は在庫を絞り機会損失を回避

※上記は当社の支援事例をもとにした参考例です。効果は施設の立地・客層・実施施策により異なります。

株式会社リロホテルソリューションズでは、アーリーCI・レイトCOを含むADR向上・客室収益の改善を、料金設計から運用の仕組みづくりまで一貫して支援しています。導入したいが清掃との両立に不安がある、料金設定を見直したい——そういった方は、お気軽にご相談ください。

株式会社リロホテルソリューションズ
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【監修者情報】
「90日で黒字化」を目標に、全国リゾート地・過疎地の宿泊施設を運営してきたプロ集団です。
あらゆる課題を抱える宿泊施設様のご支援を行い、売上の確保だけでなく、収益確保や運営効率まで一貫したご支援を行います。

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