コラム

2026.10.01

ホテルのADR(平均客室単価)とは?計算式・業界平均の見方・改善方法

ホテルのADR(平均客室単価)とは?計算式・業界平均の見方・改善方法

土曜も平日もほぼ同じ料金のまま。閑散期は値下げで稼働を埋めたものの、月末に数字を並べると売上は増えたのに、手元に残る額が増えていない。こうした状況を切り分ける最初の指標が、ADR(平均客室単価)です。

この記事では、ADRの計算式と読み方、業界平均ではなく前年同期・予算・競合セットで比べる方法、ADRが下がる5つの原因と改善の3段階を、宿泊施設の運営側の目線で整理します。料金を変えていないのにADRが動く理由や、OTA手数料を引いた「手取りADR」の考え方も取り上げました。

記事内のADR×OCC×RevPAR連動シミュレーターを使えば、目標ADRに上げたとき、稼働率がどこまで下がってもRevPARを維持できるか(RevPAR維持ライン)を簡易に試算できます。

30秒でわかるADR(Average Daily Rate:平均客室単価)

販売した客室について、「1室あたり、いくらで売れたか」が分かる単価の指標です。

客室売上 ÷ 販売客室数 =ADR
ADR改善の3つの視点
売り方を変える→客室タイプ・プラン構成
日ごとに価格を動かす→曜日・シーズン別料金
手取りで見る→直販比率・OTA手数料

⚠️ ADRを上げても、稼働率(OCC)が下がればRevPAR(販売可能客室1室あたり収益)は増えません。目標ADRで稼働がどこまで落ちてよいかは、ADR×OCC×RevPAR連動シミュレーターで確認できます。

🎯 この記事はこんな方に向けて書いています
値上げしたいが、稼働が落ちるのが怖いホテル・旅館の経営者
自館のADRが高いのか低いのか、判断の物差しが欲しい総支配人・運営責任者
OTA手数料を引いた手取りの単価まで管理したい運営担当者

ADRとは?定義・読み方・計算式

ADRは「販売した客室1室あたりの平均単価」

ADR(Average Daily Rate:平均客室単価)は、販売した客室1室あたり、平均していくらで売れたかを示す指標です。OCC(Occupancy:稼働率)、RevPAR(Revenue Per Available Room:販売可能客室1室あたり収益)と並ぶ、ホテルの客室収益管理で基本となる指標です。

なぜADRを見るのか。閑散期に値下げをして稼働を埋めた月を考えてみてください。OCCは上がります。ところがADRが大きく落ちていれば、売上の総額はむしろ減っていることがあります。ADRを毎月追っていれば、「埋めただけで儲かっていない」月を早めに見つけられます。

ADRの計算式と具体例

計算式はシンプルです。ある日の客室売上が100万円、販売した客室が50室なら、ADRは2万円になります。

計算例:客室売上100万円・販売客室数50室の場合

客室売上
1,000,000円
÷
販売客室数
50室
=
ADR
20,000円

式は単純でも、数字が動く場所が2つあります。1つ目は、食事や宴会などの付帯売上を含めるかどうか。ADRには客室売上(ルームチャージ)だけを使うのが一般的で、付帯売上は別に管理します。ただし旅館のように1泊2食を前提にする施設では、食事込みの単価と客室単体の単価が別物になります。どちらで見るのかを先に決めておかないと、月ごとの比較が崩れます。

2つ目は、ノーショー(無断キャンセル)や無料宿泊、社員利用の客室を、販売客室数に入れるかどうか。入れ方ひとつでADRは変わります。社内やグループ内で算出ルールをそろえる。前年や他館と比べるのは、その後です。

💡 ここがポイント:OCCだけを追い続けると、低単価の販売がいつの間にか当たり前になります。繁忙期に上乗せできたはずの単価を、毎年少しずつ取り逃がす形です。

ADRとARRの違い

ADRと似た言葉にARR(Average Room Rate)があります。ARRもADRと同様に、平均客室単価を指す表現として使われます。ただし、業界やシステムによって定義や使い方が異なります。名称だけでなく算出方法を確認し、社内やグループ内で算出ルールを統一しておくことが大切です。

ADRの業界平均は?業態別の見方と比べ方

「うちのADRは業界平均と比べてどうでしょうか」という質問をよく受けますが、1つの平均値で答えるのは難しいです。立地、客室数、グレード、客層、季節、イベントの有無。どれか1つ違うだけで、ADRは大きく動きます。下の表は、業態ごとにADRを見るときのポイントをまとめたものです。

業態ADRを見るときのポイント
ビジネスホテル平日の出張需要やイベント需要が軸。稼働を守りながら、週末やイベント日で単価を取る
シティホテル立地、客室グレード、MICE、インバウンド需要。客室単価は料飲・宴会を含む総合力の一部
リゾートホテル季節性、曜日、体験価値。繁忙期と閑散期の差をどう扱うか
旅館1泊2食の料金構成と客室タイプ。客室売上と食事売上のどちらで見るかをそろえる
ゲストハウス・簡易宿所1室販売かベッド販売か。同じ施設でも、単位で数字が別物になる

ADRには、全国一律の「適正値」があるわけではありません。立地、客室数、客室タイプ、料金体系、季節性によって、数字は大きく変わります。本記事では金額の目安や水準感は載せず、見るときの着眼点だけを示しました。実務では、全国平均ではなく、自館の前年同期・予算・競合セットの3つを基準に見ます。

公的統計で見られるもの、見られないもの

観光庁の宿泊旅行統計調査は、延べ宿泊者数や施設タイプ別の客室稼働率が中心で、客室単価そのものは主要な公表項目に入っていません。公的統計で比べやすいのは、OCCの側です。ADRの側は、自館の前年同期・予算、それに競合セットとの比較が実務の物差しになります。インバウンドの月次の動きは、JNTOの訪日外客統計で追えます。

他館と比べる前にそろえる4つの条件

同じ「ADR」でも、条件がそろっていなければ比較になりません。他館や公開データと並べる前に、次の4点を確認します。

●期間:同じ月でも、土曜や連休の数が違えばADRは動きます。曜日構成まで合わせて比べます。
●売上の範囲:客室売上だけか、食事込みか。旅館とホテルを並べるときは、ここが最初のずれになります。
●販売の単位:1室単位か、1名単位か、ベッド単位か。単位が違えば、数字は別物です。
●分母の扱い:無料宿泊や社員利用、ノーショーを販売客室数に入れるかどうか。自館の中でも、月によってぶれていないかを確認します。

「業界平均」より、競合セットで見る

競合セットとは、自館と比較対象になる周辺施設のグループです。立地・価格帯・客層・施設タイプなどを基準に、3〜5施設程度を設定すると比較しやすくなります。OTAに掲載された公開価格を、同じ曜日・同じ条件のプランで、週に1回は控えます。OTAの価格画面を毎日見ていても、記録に残していなければ比較になりません。

平均値との比較は、あくまで参考です。自館の前年同期比・予算比と、競合セットとの差を優先して見てください。

ADRが下がる5つの原因

ADRが下がる原因は、実務上、次の5つに整理できます。ほかの要因が重なることもあり、複数が同時に起きている場合もあります。

原因①:OTA手数料で手取りの単価が下がる

OTAは集客力が強い反面、手数料が差し引かれます。表面のADRは変わらなくても、施設の手元に残る単価は目減りします。手数料率はOTAや契約で差があり、詳しくはOTA手数料の比較にまとめました。なお本記事では「手取りADR」を、販売価格からOTA手数料などの販売関連コストを差し引いた、客室1室あたりの実収益として扱います。これは本記事で使う管理上の指標で、一般的なADR(客室売上 ÷ 販売客室数)とは、算出に含める項目が異なります。

直販比率が変わると手取りがどう動くか、仮の数字で確かめます。手数料率は12%、表面ADRは1万円のまま変わらないと置きます。

項目現状直販比率を10pt上げた場合
表面ADR10,000円10,000円
OTA経由の比率60%50%
直販の比率40%50%
手取りADR9,280円9,400円

手取りADRは、直販分は満額、OTA分は手数料を引いた額で加重平均します。現状は 10,000×0.4+8,800×0.6=9,280円。表面ADRに手を付けなくても、120円の差が出ます。100室・稼働率75%の施設なら年間の販売室数は27,375室で、120円の差は年間約330万円。値上げより先に効く施設もあります。

原因②:閑散期と繁忙期が同じ料金

「料金を変えるのが面倒」「クレームが怖い」。そんな理由で年間を同じ料金にしている施設では、繁忙期に取れたはずの単価を取りこぼします。閑散期は逆に、需要に対して料金が高すぎて稼働が落ちます。

原因③:低単価プランの販売比率が高い

素泊まりや早割ばかりが売れる構成だと、ADRは構造的に下がります。OTAの売れ筋やランキングに合わせて低価格のプランを前に出すうちに、それが主力になっていることがあります。プランの売れ筋を月ごとに並べ、高単価プランへ誘導する導線があるかを点検します。

原因④:客室タイプ別に見ていない

全体のADRしか見ていないと、料金を触っていないのに数字が動く理由が分かりません。次の仮の数字を見てください。ツインとシングルの料金は据え置き、販売室数の構成だけが変わった月です。

客室タイプ料金先月の販売室数今月の販売室数
ツイン12,000円40室30室
シングル7,000円60室70室
ADR―9,000円8,500円

料金表は1円も動かしていません。それでもADRは500円、約5.6%下がります。月次の会議で「ADRが下がった」と言われたら、まず販売構成の変化を疑う。客室タイプ別の集計は、そのための道具です。

原因⑤:競合に追従して独自の価値がなくなる

近隣の価格を見て「うちも下げないと負ける」と追従を続けると、価格競争から抜けられません。食事、立地、サービス、コンセプト。競合と違う価値を打ち出せているかどうかが、中長期のADRを分けます。

ADR改善の3段階アプローチ

ADR改善は、現状分析、価格とプランの再設計、付加価値の強化の3段階で進めます。順番に終わらせるというより、第1段階を土台にして残りを並行させる形です。

第1段階:現状分析と、毎月見る3つの数字

直近12か月のADR・OCC・RevPARを、月別・客室タイプ別に並べます。競合セットの価格も、決まった曜日と条件で控えます。この第1段階のデータ整理で止まってしまう施設もあります。まずは次の3つを、毎月同じ形式で記録するところから。

●曜日別のADR:平日・金曜・土曜・日祝に分けます。月平均だけでは、週末の取り逃がしが埋もれます。
●客室タイプ別の販売構成比とADR:料金を触っていないのにADRが動いたとき、構成比の変化で説明がつくことがあります。
●チャネル別の手取りADR:OTAごとに、手数料やポイント原資など販売関連コストを引いた額で並べます。広告費まで含める場合は、手取りADRとは別に「チャネル別の獲得コスト控除後単価」として管理すると、定義がぶれません。表面ADRが同じでも、順位が入れ替わることがあります。

第2段階:プランと価格の再設計(攻め)

▲ 第2段階で実施すること
●高単価プラン(特別フロア・記念日・特別食など)を新設する
●曜日別・季節別に料金を動かす。需要に応じて動かす仕組みはダイナミックプライシングで解説しています
●公式サイトの直販プランに特典を付け、直販比率を引き上げる

第3段階:付加価値の強化(守り)

▼ 第3段階で実施すること
●客室・共用部・食事の価値を高め、値上げの理由をつくる
●口コミ評価を底上げし、価格競争から離れる土台にする
●リピーター向けの会員制度で、直販のADRを安定させる

付加価値の強化は、効果が見えるまでに時間がかかります。だからこそ、第1・第2段階で短期の収益を確保しながら、第3段階を並行して動かします。

ADRとOCC・RevPAR・GOPの関係

三大指標の関係式

ADRを単独で見ると、判断を誤ります。ADR・OCC・RevPARは、次の式でつながっています。

RevPAR = ADR × OCC(例:ADR20,000円・OCC80%)

ADR
20,000円
×
OCC
80%
=
RevPAR
16,000円

ADR2万5,000円でOCC60%だと、RevPARは1万5,000円です。単価が高くても、稼働が低ければ負けます。逆にADRが低めでも稼働が高ければ、RevPARは上回ります。下の表のとおり、単価と稼働のバランスが取れたCが最も高くなりました。

パターンADROCCRevPAR
A:稼働重視20,000円80%16,000円
B:単価重視25,000円60%15,000円
C:バランス22,000円75%16,500円

GOP(営業総利益)との関係

RevPARは客室収益を見る指標です。コストを差し引いた利益を見るのはGOP(Gross Operating Profit:営業総利益)になります。ADRを上げるために食事やアメニティを良くすれば、原価も人件費も増えます。RevPARが上がったのにGOPは増えていない月も起こりえます。ADR改善は、RevPARやGOPなどの収益改善につながっているかまで確認して、はじめて意味を持ちます。施策ごとに、費用まで含めて効果を確かめます。

3指標の比較まとめ

指標何を見るか単独で見たときの限界
ADR客室の価格水準空室の影響が入らない
OCC客室の売れ行き単価の高低が入らない
RevPAR客室収益の総合評価経費と利益が入らない
GOP運営で残った利益どの施策が効いたかは分からない

【ツール】ADR×OCC×RevPAR連動シミュレーター

値上げしても、稼働が落ちればRevPARは減る

仮の数字で動きを見ます。ADR1万円・OCC80%(RevPAR8,000円)の施設が、ADRを10%上げて1万1,000円にしたとします。値上げ後に稼働がどこまで落ちるかで、結果は分かれます。

値上げ後のOCCRevPAR値上げ前との差
80%(変わらず)8,800円+800円
75%8,250円+250円
約72.7%(RevPAR維持ライン)8,000円±0円
70%7,700円▲300円

10%の値上げで、RevPARを維持できる稼働率は80%から約72.7%まで。つまり、約7.3ポイントの低下までが維持ラインです。それ以上落ちると、この試算条件ではRevPARが値上げ前を下回ります。RevPARが前と同じになる稼働率を、ここではRevPAR維持ラインと呼びます。求め方は「現状のRevPAR ÷ 目標ADR」です。

ADR×OCC×RevPAR連動シミュレーター

値上げによるRevPARへの影響を、年間平均で簡易に試算するツールです。5項目を入力すると、現状のADR・RevPARと、目標ADRに上げたときの年間の客室売上の増減、RevPAR維持ラインの稼働率が分かります。旅館のように曜日や季節でADRも稼働も大きく違う施設は、繁忙期・閑散期など期間を分けて入れると実態に近づきます。値上げ後の稼働率は、前年の高需要日の実績や競合の空室状況から当たりを付けて入れてください。

📊 ADR×OCC×RevPAR連動シミュレーター
値上げによるRevPARへの影響を、年間平均で簡易に試算するツールです。5項目すべてに入力して「試算する」を押してください。客室売上は食事・宴会を除き、客室販売分のみで入れます。現状のADRは、客室売上・客室数・稼働率から自動で計算します。試算は、年間365日を通じて入力した稼働率が一定という前提の概算です。季節変動や曜日差、繁忙期と閑散期の価格差は反映していません。

ADR改善で陥りやすい失敗パターン5例

失敗①:一律の値上げで稼働が大きく落ちる

全日程を同じ幅で上げた結果、稼働が落ち、RevPARが前年を割るパターンです。「今の料金でなぜ売れているのか」「上乗せに見合う価値があるのか」を確かめないまま、価格だけを動かしたのが原因です。

失敗②:OTAの売れ筋に合わせて価格を下げ続ける

OTAのランキングやレコメンドに合わせて下げるうちに、ADRが構造的に低下します。OTAは予約獲得に強い一方、ホテル側では販売手数料や販促費まで含めた収益性を確認する必要があります。価格を自分で決められる範囲を広げるうえで、直販比率の引き上げは欠かせません。

失敗③:ADRだけを追い、RevPARを見ていない

「ADRが上がった」と喜んでいたら、OCCが大きく落ちてRevPARは横ばい。実務で起こりやすいパターンです。ADRは必ずOCC・RevPARとセットで評価します。

失敗④:繁忙期も閑散期も同一料金で、機会損失を出している

曜日別・季節別に料金を分けるだけでも、年間のADRは改善の余地があります。値上げの怖さから同一料金を続ける施設ほど、毎年の取り逃がしが積み上がります。

失敗⑤:競合を見ずに、自館だけで価格を決める

市場の相場から外れた価格は、高ければ稼働が落ち、安ければADRが下がります。競合セットの公開価格を週次で控える仕組みが、最低限の備えです。

⚠️ 「怖くて値上げできない」という現場の声

「土曜だけ上げて大丈夫でしょうか」という相談は、支援の現場でも出てきます。需要の強い日に絞った値上げなら、影響は小さく収まりやすい。問題が起きやすいのは、需要のない日まで一緒に上げたときです。前年同日の稼働、競合の空室状況、予約の入りのペース。この3点を見て、データで動かします。

内製の限界とプロに任せる境界線

内製で対応できる範囲

月次のADR・OCC・RevPARの集計、競合価格の定点観測、プラン構成の見直し、公式サイトの直販プランの設計、口コミへの返信。日次・週次で回せるこうした運用は、現場のスタッフでも実行できます。

内製で難しくなる領域

⚠️ 内製対応の限界

ADR管理が担当者の経験と感覚に寄っていると、繁忙期の取り逃がし、閑散期の値下げ過多、引き継ぎで管理が崩れる、の3つが慢性的に起こります。PMSとサイトコントローラーのデータをつなぎ、日次で自動集計できる形を作る。これが内製の限界を越える最初の一歩です。

実務では、イベントや祝日、予約状況、競合価格などを踏まえて需要を予測し、価格を調整します。チャネル別の手取りADRも並べて見ます。内製で難しくなりやすいのは、この作業を日次で続ける人手と、判断の基準をそろえて引き継げる仕組みです。どちらかが欠けるなら、外部支援を使う選択肢が出てきます。

領域内製で難しくなりやすい点外部支援を使う場合
価格戦略経験則・勘に依存する需要予測と、他施設の運用経験を踏まえた判断
競合分析OTAの表面価格だけを把握プラン構成・販売状況・客層まで含めた分析
改善施策単発の施策が積み重なるだけ3〜6か月のロードマップとKPI管理
実行体制本業との兼務で進捗が鈍る専任の担当者による定期的な見直し

ADR改善の事例(匿名)

支援事例から2つ紹介します。守秘義務のため施設名は伏せ、客室数と数値も一部加工しています。

施設タイプ実施した施策改善幅の目安
シティホテル(55室程度)客室タイプ別の収益分析、高単価プラン3種の新設、直販への誘導ADR +15〜20%程度
旅館(30室程度)高需要日の単価引き上げ、閑散期の底上げプラン、OTAセールに対抗する公式限定プラン年間利益が改善

シティホテルの例で最初に行ったのは、客室タイプ別にADRを並べ直す作業でした。施策の前に、数字を見る形をそろえる。その時間を確保できるかどうかが、分かれ目になります。

よくある質問(FAQ)

ADRとRevPARはどちらを優先して見ればよいですか? ▼
A. RevPARはADRとOCCを合わせて評価できるため、客室収益を見るうえで重要な指標です。一方、ADRは価格戦略の成否を確かめるために欠かせません。月次や施策ごとにADRも並べ、単価が下がっていないかを確認したうえで、RevPARが伸びているかを判断します。利益まで見るなら、GOPも合わせて確認します。
ADRを上げると稼働率は下がりますか? ▼
A. 必ず下がるわけではありません。ただし、需要や競合価格が変わらないまま一律に上げれば、予約数や稼働率に影響が出る可能性があります。需要の強い日に絞って上げる、あるいは客室・食事・サービスの価値を高めてから上げる。この2つなら、影響は小さく収まりやすくなります。目標ADRに対して稼働がどこまで落ちるとRevPARが前より減るかは、本記事のシミュレーターでRevPAR維持ラインの稼働率として確認できます。
小規模な旅館でもADRを管理する必要はありますか? ▼
A. 必要です。客室数が少ないほど、1室あたりの単価が経営に直結します。値下げで稼働を埋めても利益は残りません。月次の手計算でかまわないので、ADRを同じ形式で記録し続けることから始めてください。
ADRが競合より低いとき、最初に何をすればよいですか? ▼
A. 原因の切り分けからです。プラン構成の偏り、OTA依存、季節別価格の不在、客室タイプ構成の変化。このうちどれが効いているかを確認します。そのうえで競合セット(立地・価格帯・客層などが近い周辺施設)の価格を週次で記録し、自館の位置を把握してから優先順位を決めます。
ダイナミックプライシングとADR管理は何が違いますか? ▼
A. ADR管理は結果の数字を見て判断する活動、ダイナミックプライシングは需要に応じて価格を動かす手段です。目的と手段の関係にあり、対立するものではありません。ADRを毎月見ていれば、価格を動かした効果も検証できます。

まとめ:ADRは単独でなく3指標連動で見る

値上げしたいが、稼働が落ちるのが怖い。その悩みの本質は、ADRを単独で見ていることにあります。ADR(Average Daily Rate:平均客室単価)は、客室売上を販売客室数で割って求める単価の指標です。OCC・RevPARと連動させ、RevPAR=ADR×OCCの関係で判断する。ここがすべての出発点になります。

改善は、現状分析、プランと価格の再設計、付加価値の強化の3段階で進めます。毎月確認するのは、曜日別のADR、客室タイプ別の販売構成、チャネル別の手取りADRの3つです。値上げの前に、ADR×OCC×RevPAR連動シミュレーターでRevPAR維持ラインの稼働率を確かめてください。レベニューマネジメント全体の考え方は、レベニューマネジメントとは?で整理しています。

ADR改善に取り組みたい方へ

リロホテルソリューションズでは、客室タイプ別・曜日別・チャネル別のADRの可視化から、価格戦略の立案、実行後の効果検証まで、運営支援の専門家が伴走します。どこから手を付ければADRとRevPARが伸びるのかを、現場で動かせる形まで一緒に落とし込みます。

この記事の執筆体制
リロホテルソリューションズ コンテンツ編集部が執筆しています。全国50以上の宿泊施設を運営するリロ・グループの運営実務をもとに、運営支援の担当者が内容を確認しています。
株式会社リロホテルソリューションズ
株式会社リロホテルソリューションズ

【監修者情報】
全国50施設以上のホテル・旅館を運営するグループ企業のノウハウを活かし、宿泊施設の売上向上とGOP最大化を支援するコンサルティング会社。
価格戦略、OTA運用、人件費最適化、業務効率化まで踏み込み、利益の残るホテル経営を実現します。

CONTACT

【サービス資料】90日で黒字化ホテル・旅館を再生

資料をダウンロードする Download

【無料宿診断】リロの“プロ”と課題対策を始める

宿診断お申し込み Free