コラム

2026.04.10

ホテルのマーケティング戦略とは?売上・利益を最大化する設計と実践手法【最新版】

ホテルのマーケティング戦略とは?売上・利益を最大化する設計と実践手法【最新版】

「SNSも、OTAも、口コミ対策もやっている。しかし、なぜか利益が残らない」——そう感じているホテル・旅館の経営者は少なくありません。

原因は、施策の数ではありません。そのため、新しい施策を追加しても状況は変わりません。なぜなら、集客から予約・収益までをつなぐ「設計」が抜けているからです。たとえば、SNSのフォロワーが増えても予約ページへの導線がなければ、売上にはつながりません。

本記事では、ホテル・旅館経営に即したマーケティング手法の全体像を整理します。さらに、自社に合う手法の選び方・設計の3ステップ・施策ごとのKPI・実際の改善事例まで、現場で使える形で解説します。

📌 この記事でわかること

ホテルマーケティングの主要7手法と、自社に合う選び方の基準
「施策を増やしても利益が残らない」構造的な原因と設計の直し方
施策ごとに測るべきKPIと、収益指標(RevPAR・GOP)との接続方法
📣 この記事はこんな方に向けて書いています
OTA依存の集客から脱却したいホテル・旅館経営者
施策は動かしているが利益が残らない施設の担当者
マーケティング戦略を体系的に整理したいWEB・販促担当者

なぜ施策を動かしても利益が残らないのか

よくある失敗構造

多くの施設で見られる失敗パターンは、一つに集約されます。

たとえば、競合が値下げすれば自分も値下げし、OTAの手数料が上がれば新プランを追加して対応する——いわゆる「後追いの施策対応」です。この状態を続けるかぎり、売上は動いても利益はコントロールできません。

SELF CHECK
あなたの宿のマーケティング、
利益を生む設計になっていますか?
当てはまる項目をすべてチェックしてください(複数選択可)
  • OTA経由の予約が全体の70%以上を占め、手数料コストが重くのしかかっている
  • 稼働率は高い時期があるのに、月末の利益が想定より薄い・残らない
  • 「空室が怖い」ので、とりあえず値下げで埋めることが習慣になっている
  • SNSやブログを運用しているが、予約への導線が設計されていない
  • 施策ごとの成果を数字で把握できておらず、感覚や経験で判断している
  • 自社サイトへの予約よりOTAからの予約のほうが取りやすいと感じている
  • 競合ホテルに対して「価格以外の優位性」を言語化できていない
0 / 7
— 診断待ち —
上の項目をチェックすると診断結果が表示されます
当てはまる項目が多いほど、収益が構造的に漏れている可能性があります。
NEXT STEP
課題が見えてきたら、まず現状を数値で把握するところから始めましょう。リロの宿診断では、自施設の収益構造を5段階で客観的に評価できます。
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リロホテルソリューションズが支援に入る施設の大半で、このいずれかに該当します。つまり、問題は「施策が間違っている」のではなく、施策を動かす前に設計すべきターゲット・コンセプト・指標が不在のまま動いていることです。


設計を変えたら何が起きたか——改善事例

改善の全体像

ここで重要なのは、施策を増やすことではありません。

次の事例は、リロホテルソリューションズが支援した東北エリアの温泉旅館のケースです。新しい施策を追加するのではなく、既存の集客導線と価格設計を見直すだけで収益構造が大きく変化しました。つまり、設計を変えることで現場は変わります。

項目 支援前(BEFORE) 支援後6ヶ月(AFTER)
OTA依存率 78% 61%(自社予約比率32%へ)
ADR(客室平均単価) 8,400円 11,200円(+33%)
RevPAR(販売可能客室1室あたり収益) 基準値 +22%向上
収益状況 赤字 黒字転換

よくある失敗パターンとの違い

何を変えたか

新施策の追加はゼロ。実施したのは①OTAプランの整理、②自社サイトへの予約導線強化、③コンテンツ記事3本による検索流入確保、④早期予約特典の設計——この4点のみです。「施策を増やす」のではなく「設計をつなぐ」だけで収益構造が変わりました。

つまり、マーケティングの成否は「何の施策を使うか」より、施策同士がどう接続されているかで決まります。


手法 効果が出るまで コスト感 特に向く施設
①ブランドMG 6〜12ヶ月〜 差別化に悩む施設
②コンテンツMG 3〜6ヶ月〜 自社予約を増やしたい施設
③SNS MG 1〜3ヶ月〜 ビジュアル資産がある施設
④口コミMG 即時〜3ヶ月 全施設(特にOTA依存施設)
⑤デジタルMG 1〜6ヶ月 高〜中 短期で予約数を伸ばしたい施設
⑥アウトバウンドMG 施策による シニア層・地域密着施設
⑦インフルエンサーMG 投稿後〜1ヶ月 20〜40代女性ターゲット施設
🎯 TOOL 01 / 施策優先度スコアラー
今すぐ着手すべき施策がわかる|3問で判定

自社の状況に当てはまるものをすべて選んでください。チェックの組み合わせから、今最も優先すべき施策を判定します。

  • OTA経由の予約が多く、手数料コストが重い
  • 競合との違いや強みが言語化できていない
  • SNSアカウントはあるが更新が止まっている・反応が薄い
  • 口コミ評点が低い、または口コミ数が少ない
  • 自社サイトへのアクセスが少なく、検索からの流入がほぼない
  • シニア層や地域客が多く、ネット以外の集客を強化したい

① ブランドマーケティング:「選ばれる理由」を設計する

ブランドマーケティングとは、「自社がなぜ選ばれるのか」という理由を施設全体で一貫して表現することです。ロゴやWebサイトだけではありません。客室のコンセプト・接客スタイル・SNS発信のトーンに至るまで、すべてに共通の世界観を持たせます。

「静かな大人の隠れ家」「愛犬と過ごせる温泉リゾート」など明確なコンセプトがある施設は、価格だけでなく共感・ストーリーで選ばれるため、値下げ競争から抜け出しやすくなります。ブランドとは、「また来たい・誰かに教えたい」という感情を設計することです。デザインだけでは作れません。

支援施設の多くで、「売りにしたいこと」と「実際に発信していること」がずれているケースが見られます。コンセプト設計の前に、まず「今何を発信しているか」の棚卸しから始めることを推奨しています。

② コンテンツマーケティング:検索から自社予約へつなぐ

コンテンツマーケティングは、顧客が「検索する前」から「予約するまで」の行動に沿って、役立つ情報を提供し続ける手法です。ブログ記事・観光ガイド・FAQ・メールマガジンなどが代表的なコンテンツです。

OTA経由でなく自社サイトへ直接誘導できるため、OTA手数料負担なしで予約を獲得できます。しかし、重要なのは「記事を書く」ことではなく「予約への導線を設計すること」です。なぜなら、良い記事があっても予約ページへの導線がなければ、訪問者は別サイトで予約してしまうからです。

支援施設の約6割でコラムページがあるものの、記事から予約画面への導線を設計せずに放置していました。コンテンツは「書いたら終わり」ではなく、設計されて初めて機能します。

③ SNSマーケティング:日常的な接点でファンを育てる

InstagramやX(旧Twitter)は、旅行の「きっかけ」をつくる場として機能します。なぜなら、旅行者は宿泊先を選ぶ際にSNSで雰囲気を確認するからです。朝食の写真・季節の風景・スタッフの日常など、「行きたい」と思えるコンテンツを継続投稿することで、認知から興味・検索・予約へとつながります。

宿泊者がハッシュタグをつけて投稿するUGC(ユーザー生成コンテンツ:利用者が自発的に作成・公開するコンテンツ)は、広告よりも高い信頼性を持ちます。「泊まった人が勝手に発信したくなる体験」の設計がSNS最大の武器です。

「アカウントはあるが2〜3ヶ月更新が止まっている」施設を多く見ます。ゼロ更新と毎日更新では信頼度に大きな差が出ます。週2〜3回の更新を維持できる体制設計から始めることを推奨しています。

④ 口コミマーケティング:最も費用対効果の高い施策

Googleマップ・じゃらん・楽天トラベル・Tripadvisorにおける口コミ評価は、新規利用者の意思決定に直接影響します。さらに、OTA内の検索順位にも影響するため、集客コスト削減にも直結します。

たとえば、チェックアウト後のメールで投稿を依頼する、フロントで案内する、次回クーポンと交換するなど、積極的に口コミを「設計して集める」姿勢が重要です。

口コミ平均評点が4.0→4.4に改善した施設では、OTA内の検索順位が約2ランク上昇し、同一プランでの予約数が6週間で28%増加した事例があります。口コミは「運」ではなく「設計」で変えられます。

⑤ デジタルマーケティング:Web全体を予約エンジンにする

自社Webサイト・OTA・Google広告・SEO・メール施策などを統合的に活用して、Web全体を「予約を生み出す仕組み」として機能させることです。特に重要なのがGoogleビジネスプロフィールとGoogleホテル検索の最適化です。正確な情報・写真・価格を常に最新の状態に保つことで、検索から直接予約へつなぐルートが確保できます。

一方で、OTAと並行して自社への流入経路を設計することが、OTA手数料コスト削減への第一歩です。

Webサイトのスマートフォン表示を確認していない施設が驚くほど多く見られます。予約者の70%以上がスマートフォンで行動しているにもかかわらず、PC前提のレイアウトのままになっているケースは即改善が必要です。

⑥ アウトバウンドマーケティング:リーチが難しい層に届ける

テレビCM・ラジオ・新聞・交通広告など、マスメディアを活用したプッシュ型の集客手法です。特に、インターネットに不慣れな高齢者層や地域密着の顧客層に有効です。

たとえば、地方紙での温泉特集や電車内広告での季節限定プランの掲載は、ターゲット層の生活動線に合わせたメディア選定の好例です。さらに、デジタル施策と組み合わせてWebへのQRコードを入れるなど、オンラインとの接続を意識した設計を推奨します。

⑦ インフルエンサーマーケティング:「行きたい」感情を演出する

SNSで影響力を持つインフルエンサーに施設を体験してもらい、フォロワーへ拡散する手法です。インフルエンサーとは、特定分野に強いフォロワーを持つ発信者のことです。特に20〜40代女性をターゲットとする施設や、ビジュアル訴求力の高いホテル・リゾートに向いています。

しかし、フォロワーが多い大型インフルエンサーより、ターゲット層との親和性が高いマイクロインフルエンサー(フォロワー1〜10万人程度)のほうがCV率(予約転換率)が高い傾向があります。たとえば、ペット可施設なら愛犬家コミュニティ、子連れ旅なら家族旅行アカウントが効果的です。属性の一致を重視した選定が、コンバージョン率向上の鍵です。


自社に合う戦略を選ぶ3ステップ

戦略設計の全体フロー

「どれも重要そう」と感じたなら、それが最大の落とし穴です。すべてに手を出すと、どれも中途半端に終わります。以下の3ステップで優先度を絞ることが、実行力を生む最短ルートです。

ステップ1:ペルソナ設定——「誰に届けるか」を具体化する

既存顧客データを分析し、年齢・性別・旅行目的・趣味嗜好・情報収集手段をもとに具体的な顧客像(ペルソナ)を1〜2パターン設定します。「30代夫婦・温泉好き・Instagram派・予算1泊2万円」のように具体化するほど、取るべき手法が自然と絞られます。

時期や外部環境の変化に応じて定期的に見直すことで、精度の高いマーケティング施策が実現できます。

ステップ2:強み・競合分析——「どこで戦うか」を決める

SWOT分析で自社の立ち位置を整理します。そのうえで、競合のOTA評点・SNSフォロワー数・サイト充実度を比較し「勝てる土俵」を特定します。全方位で戦う必要はありません。1〜2の強みに集中することが現実的です。

ステップ3:コンセプト設計——「何を・誰に・どう届けるか」を言語化する

ステップ1〜2の結果をもとに、「誰に・どんな価値を・どのように届けるか」を1文で表現します。たとえば、「OTA依存を脱却し、夫婦旅ターゲットの自社予約をコンテンツとSNSで獲得する」のように具体化します。この一文が現場を動かす軸になります。


マーケティング戦略の実行ポイント

現場で起きているズレ

戦略が机の上で終わる理由はほぼ一つ——担当と指標と期限が決まっていないことです。営業・フロント・広報など各部門との連携体制を整え、以下の3点を最初に決めることで実行率が大きく変わります。

▲ 実行率を上げる3原則

  • 担当を一人に絞る。複数部門が関与するほど誰も動かなくなります。責任者を明確にし、権限と期限を与えることが先決です。
  • 月次レビューを習慣にする。KPI(重要業績評価指標)を月に一度確認し、「上がったか・下がったか・なぜか」を3行で記録するだけでPDCAが回り始めます。
  • 小さく始めて、数字で判断する。まず1〜2の施策を3ヶ月試し、数字を見て継続・改善・撤退を判断する。この繰り返しが確実に成果につながります。

成功事例から学ぶ 顧客を惹きつけるホテルマーケティングの秘訣

ここからは、独自の取り組みで集客やブランド力を高めたホテルの成功事例を4つ紹介します。SNSの活用、体験価値の演出、明確なコンセプト設計など、それぞれの工夫が収益向上にどう結びついたかを見ていきましょう。

成功事例に共通する「設計の思想」

以下の4事例はいずれも、施策の種類よりも「誰に・何を・どう届けるか」の設計が先にあった点が共通しています。施策の実行前に設計があるからこそ、各施策が機能します。

SNSマーケティング〜ゆるり熱海 with DOGS

SNSマーケティング〜ゆるり熱海 with DOGS

出典:ゆるり熱海 with DOG公式サイト

「ゆるり熱海 with DOGS」は、静岡県熱海市に位置するペット同伴型温泉リゾートです。全国の愛犬家を主なターゲットに、SNSを駆使したマーケティングで高いブランド認知と集客効果を実現しています。

項目内容
施設名ゆるり熱海 with DOGS(静岡県熱海市)
ターゲット愛犬家、ペット連れ旅行者
主なSNSInstagram、X(旧Twitter)
主要施策ハッシュタグ活用、写真・動画投稿、リポスト、コメント対応
結果SNSからの新規集客増加、リピーター増、地域認知度向上

フォトスポットやペット用設備を活かした「シェアしたくなる」映え写真の発信、宿泊者投稿のリポストによるリアルな声の活用、独自ハッシュタグによる拡散促進——こうした施策の組み合わせにより、愛犬家コミュニティ内での認知が広がりました。結果として、リピーターの増加とブランドイメージの確立につながっています。

エクスペリエンスマーケティング〜フォートリート+那須高原

エクスペリエンスマーケティング〜フォートリート+那須高原

出典:フォートリート+那須高原公式サイト

体験価値の演出で注目を集めているのが「フォートリート+那須高原」です。宿泊そのものの価値を"体験"として再構築し、感情的な満足や記憶に残る時間を提供するエクスペリエンスマーケティングの好例といえます。

項目内容
施設名フォートリート+那須高原(栃木県那須町)
ターゲット忙しい日常から離れ、癒しを求める大人層
主な施策よもぎ蒸し、貸切風呂、地産食材の料理、静寂空間、音楽・読書演出
結果感情価値の創出、リピート意欲喚起、価格競争の回避

「見る・聴く・味わう・香る・触れる」の五感で癒す空間設計と、地元食材・ハーブを用いた飲食の演出により、記憶に残る体験がSNSや口コミでの拡散を生み、価格ではなく「体験の質」による差別化に成功しています。

コンセプトマーケティング〜秋保風雅

コンセプトマーケティング〜秋保風雅

出典:秋保風雅公式サイト

コンセプトの一貫性で際立つのが「秋保風雅」です。「夜を愉しむ宿」というテーマを軸に、ターゲットと世界観を明確に定め、宿泊体験のすべてに一貫性を持たせることで唯一無二のブランド体験を生み出しています。

項目内容
施設名秋保風雅(宮城県仙台市・秋保温泉)
ターゲット30代後半〜50代のカップル・夫婦、アクティブシニア、静かに過ごしたいソロ客
コンセプト夜を愉しむ大人の宿
主な施策夜ラウンジ、照明・暖炉などの空間設計、夜に合う創作会席
結果SNSや口コミでの高評価、価格競争を回避、リピーター増加

オリジナルカクテルと〆パフェを提供するラウンジ「夢寐」、アートや間接照明による「夜の余白」を大切にした空間設計——「意味のある夜」という非日常の提案が、価格ではなく「過ごし方の価値」で選ばれる宿への転換を実現しました。

体験型マーケティング〜ゆとりろ那須塩原

体験型マーケティング〜ゆとりろ那須塩原

出典:ゆとりろ那須塩原公式サイト

「ゆとりろ那須塩原」は、地域資源や食文化など"外部との接点"を活かし、宿泊の中に体験コンテンツを組み込む体験型マーケティングを展開しています。

項目内容
施設名ゆとりろ那須塩原(栃木県那須塩原市)
主な施策ゆとりろファームスタジオによる地域体験の提供
提供コンテンツ栃木県産いちごのいちごミルク、地元牛乳などの提供
対象層家族連れ、都市圏からの旅行者
主な効果顧客満足度向上、SNS口コミ拡大、地域連携による活性化

牧場を模した休憩空間で「地域らしさ」を体感できる設計と、地元食材を使ったオリジナルメニューにより、滞在満足度の向上とリピート意欲の醸成、さらに地元農家との連携による地域経済の活性化にもつながっています。


施策ごとに測るべきKPIと収益指標

まず前提として、成果は感覚ではなく数値で把握する必要があります。そのため、施策ごとに「何を測るか」を最初に決めておかなければ、PDCAは回りません。

施策別KPI一覧

施策 主要KPI 目標の目安
コンテンツMG自然検索流入数・自社予約CV率記事公開後3ヶ月でセッション+30%
SNSフォロワー数・エンゲージメント率・URLクリック数エンゲージメント率3〜5%以上
口コミ平均評点・月間投稿数・OTA検索順位平均評点4.2以上・月間10件以上
デジタル広告ROAS・予約獲得単価・直接予約比率ROAS 300%以上
インフルエンサーリーチ数・保存数・施設名検索数の変化投稿後2週間の施設名検索数+20%

RevPAR・ADR・OCCの関係性——収益指標の読み方

施策レベルのKPIは、各手法の成果を測るものです。しかし最終的な収益判断には、これだけでは不十分です。以下の3指標を必ずセットで確認してください。

指標 定義 マーケティングとの関係 単独使用の限界
RevPAR 販売可能客室1室あたりの収益。ADR×OCCで算出 全施策の最終成果を一つの数値で評価できる最重要KPI 経費・利益は反映しない
ADR 客室平均単価(Average Daily Rate)。販売された客室の平均販売価格 ブランドMG・RM施策の成果が直接反映される 空室の影響を無視している
OCC 客室稼働率(Occupancy Rate)。販売可能客室数に対する販売済み客室の割合 集客・販促施策の成果が直接反映される 単価の高低を反映しない

RevPAR = ADR × OCC——この関係を理解することがマーケティング施策の設計に直結します。稼働率(OCC)を上げるために単価(ADR)を下げすぎると、RevPARは改善されません。レベニューマネジメントの視点で「OCCとADRの最適な組み合わせ」を意識することが、収益最大化の核心です。最終的な利益の評価にはGOP(粗営業利益)もあわせて確認してください。

✅ TOOL 02 / 判断チェッカー
自社のOTA依存度を判定|あなたの施設は「自立型」ですか?

当てはまる項目を選択してください。チェック数に応じてOTA依存リスクを判定します。

  • OTA経由の予約が全体の60%以上を占めている
  • 自社公式サイトに予約エンジン(直接予約ボタン)が設置されていない
  • OTAと自社サイトで同じ料金・同じプランしか出していない
  • メールマガジンやLINEなど顧客への直接リーチ手段を持っていない
  • OTAの手数料率(平均)が15%を超えている
  • リピーター顧客のデータ(名前・連絡先・利用歴)を自社で管理していない
項目を選択すると判定結果が表示されます
6項目中何個当てはまるかで依存リスクを判定します

よくある質問

小規模の旅館でもマーケティング戦略は必要ですか?
規模は問いません。客室数が少ないからこそ、1室あたりの単価と稼働率を最適化するマーケティング設計が収益に直結します。むしろ大規模ホテルよりターゲットを絞った施策が刺さりやすく、成果が出やすいケースも多くあります。
OTAをやめて自社予約だけにすることはできますか?
現実的ではありません。OTAは集客チャネルとして引き続き有効なため、完全撤退は機会損失につながります。目指すべきは「OTA依存からの脱却」ではなく「OTAと自社予約の最適な比率設計」です。自社予約比率30〜40%を目標に、段階的にシフトするアプローチを推奨します。
マーケティング担当者がいない施設はどこから始めればいいですか?
まず口コミ評点の改善と、自社Webサイトのスマートフォン表示確認から始めてください。どちらもコストがかからず即日対応できます。担当者不在でも動かせる施策に絞って着手し、成果が出てから体制を整えることが現実的な順序です。
SNSのフォロワーが増えても予約に結びつきません。なぜですか?
SNSプロフィールから予約ページへの導線が設計されていないことが最大の原因です。プロフィールURLを予約ページに直結させる、投稿キャプションに予約リンクを記載するなど、「認知→予約」の導線を意識的に設計することで改善できます。フォロワー数よりも「どこへ誘導するか」の設計が先です。
効果が出るまでどのくらいかかりますか?
施策によって異なります。口コミ改善・Googleビジネスプロフィール最適化は1〜2ヶ月で変化が出ることがあります。コンテンツMG・SEOは3〜6ヶ月が目安。ブランド設計は6〜12ヶ月以上の視点が必要です。まず短期で成果が出る施策から着手し、中長期の施策を並行して育てることを推奨します。

まとめ

成果が出ない原因は、施策の選択ではありません。設計が抜けていることが根本にあります。つまり、以下のポイントが収益改善の近道です。

  • 「施策を増やす」より「施策をつなぐ設計」がマーケティング成功の本質
  • OTA依存・値下げ依存の収益構造は、設計の見直しで変えられる
  • 7つの手法は「コスト・効果期間・施設タイプ」で優先度を選ぶ
  • ペルソナ設定→競合分析→コンセプト設計の3ステップが実行の土台
  • RevPAR・ADR・OCCの3指標をセットで見ることが収益管理の基本
  • 担当・指標・期限の3点を決めることが施策を動かし続ける条件

株式会社リロホテルソリューションズでは「90日で黒字化」をスローガンに、マーケティング戦略の設計からOTA対策・コンテンツ構築・販促企画まで一貫して支援しています。「何から手をつければいいかわからない」という方に向け、現在自施設の経営状況を客観的に確認できる「宿の健康診断」を無料実施中です。独自の5段階(A〜E)評価で現状を判定し、根拠と対策案を具体的に提示します。

株式会社リロホテルソリューションズ

【監修者情報】
株式会社リロホテルソリューションズ
「90日で黒字化」を目標に、全国リゾート地・過疎地の宿泊施設を運営してきたプロ集団です。
あらゆる課題を抱える宿泊施設様のご支援を行い、売上の確保だけでなく、収益確保や運営効率まで一貫したご支援を行います。

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